2002/05呉連枝老師講習会
5/3〜5/5まで、メインの講習会を行いました。初日は60人を越す参加者が集まり、壮観でした。
今回は初日に架式・基本功・対練・小架・単打・六肘頭などの復習。
2日目以降は、呉氏開門八極拳の精華套路「四朗寛」を中心にご指導いただきました。
呉連枝老師は、終始熱心に指導され、参加者からの疑問にも気さくに答えていらっしゃいました。



いよいよ「四朗寛」の学習開始。 四朗寛は難しい套路なので、最初の動作から丁寧にご指導いただきます。


時の経つのは早いもので前回の呉連枝老師の講習会から2年があっという間に過ぎて今年のゴールデンウィーク、再び呉連枝老師にお会いすることが出来る時機が到来した。
前回は、私自身、入門数ヶ月の時だったためにあれよあれよという間に終わってしまったが、服部先生からも言われたが今回はよく老師の動きを拝見して得るところが多く、とても充実したものになり、且つ自分で考えること開門する事も多かったように思う。

前回も本講習が始まる前に器械の講習があり、今回は何と『六合花槍』を習うことが出来た。
前回からの2年間の間、行者棒を習ったりして“長物”には触れてきていたが、今回は八極の精髄“槍”なのである。聞く所によると、『六合花槍』は基本功であるらしい。
套路なので一応動きのトレースは出来たが基本功の基本が自分にはまだまだ出来ていないことが痛切に感じられ、あまりの自分のショボさに情けなくなってしまう。それでも夜復習しているときに、小架一路等も練習してみて普段から服部先生とか言われていること、徒手と器械の相関関係それに『槍』というものが『八極拳』の中で重要な要素を為していること等が何となく体感できたように思う。今、自分では棒しか持っていなくてしかも行者棒のために買っ
た物であるため一刻も早く槍用のものと槍頭を買って折角習った等路を練る練習をしていきたいと切に思う。

さて、5月3日からは本講習。初日は基本功や対練、小架、単打の普段練習しているものを中心に講習が行われた。そのためか、前回の自分と同じように入って間もない方々も参加することが出来た。それに、個人的にうれしかったのは自分の田舎に同門の人々がいて、そちらからも、二人参加されていた。そのうちの一人は何と、高校の先輩だった。
そういったこともあり、また普段練習していることが中心だったこともあり体力的精神的についていくことが出来て、そのおかげで呉連枝老師の動きも注視する事が出来た。改めて呉連枝老師の動きを見ていると三盤合一がどの場面でも見ることができ、その遙か雲上にまで届く功夫の高さに感動を憶え羨望せざるを得ない。

4日と5日は今回のメインテーマ、四郎寛套路の学習。小架一路、単打と三位を為す最重要套路ということで期待と不安に駆られて講習会に向かった。只最近は、套路を学習する際の気持ちが変化して、そのときに出来なくても、後々じっくり学習しようと。但し、呉連枝老師の動きだけは逃すまいと思いながら講習を受けた。四郎寛は長い套路なので大まかに前半、後半に分けて講習された。4日は殆ど前半部分についてだった。動きとしては、トレースするだけならそんなに難しい動きがあるわけではなかった。しかし、発力する箇所が多く、肉体的疲れは相当なもの。

後半になると、それに加え難しい身法があり、四郎寛の特徴とも言うべき四象の変化が前半に比べて頻繁に出てきて、ややもすればみんなと違う方向を向いていそうになる。そうすると知らず知らず焦りが出てきて追いかけていくのがやっとという状態で、前半ほど覚えることが出来なかった。家に帰り、呉連枝老師の動きをビデオで復習したりしてみたが、ようやく今頃(この文章を書いている)、どうにかこうにかゆっくりならば、繋がって套路が打てるようになった。後は、如何に自分で開門して練り込んでいくかである。

さて、今回終えて率直に思うこと。“あっという間に”の一言ではないだろうか。個人的に振り返っても、この度は、服部先生に我儘を聞いていただき呉連枝老師来日直後の荻窪にも参加させて頂いたり、食事をご一緒させていただく機会に恵まれたりで、呉連枝老師と一緒に過ごさせていただいた時間が多かった分、“あっという間”であった。講習中も、実際に呉連枝老師に用法の説明時、技をかけていただく僥倖にも恵まれた。
普段から、呉連枝老師は大きく見られるが、自分の目の前に居られると、その居られると言うことのプレッシャー自体が凄まじく、また服部先生もよく言われているが、自分の顔面近くで呉連枝老師の手が動くと“ブンっ”という音がした。
呉連枝老師に本気で打たれると、さしずめ自分などは“熟れすぎたトマト”状態になってしまうのだろう。本当に素晴らしい体験をさせていただけた。

前回から今回の講習会まで、ただやみくもに練習して来たと振り返って思う。呉氏開門八極拳は自分たちが思っている以上に底なしに奥が深く、その技の精妙さは自分たちが見ることが出来る次元ではない。次に呉連枝老師にお会いすることが出来るのは多分2年後。今度はもっと掘り下げて自分なりに開門して練習に励み、今回以上に吸収できる自分になっていたいと思う。そして、その奥深さ高次元に少しでも近づけられるように。
最後に、服部先生にはいろいろお心配りを賜り誠にありがとうございました。また、講習会とその前後、本当に大変だったと思います。お疲れさまでした。再び呉連枝老師をお呼び下さることを切に願っております。

曽我部敏明(本部教室)



用法解説の相手役は、服部代表。 服部代表曰く、「通訳をしながらの相手役は大変でした…」


こどもの日を明後日に控え鯉のぼりムードも高まりを見せつつある五月三日の朝、私は中野区方南町駅び降り立ちました。
そう今日は呉氏開門八極拳講習会。
中国より呉連枝老師が来日されるということで、これは貴重な体験になるであろうと参加を決意しました。
しかし八極拳を学び始めて半年をやっと越えたばかりの若輩者の僕についていくことができるのでしょうか?
そんな不安を抱きつつ会場に向かいました。

講習会開始30分前に到着するとすでに諸先輩方が準備運動中。
知ってる動き、知らない動き、知ってるようで知らない動き。
横浜教室は開講してまだ半年で僕を含め一期生でも八極拳歴半年。
こんなに大勢の先輩方を見るのは初めてで早速圧倒されました。
不安も高まる一方です。

そして始まった一日目。
まずは基本功からスタート。50人以上が体育館にひしめき合い開門八式や小架をする光景はとても壮観でした。
個人的に力が入ったのは六肘頭。六肘頭はちょうど現在横浜教室で講習中なのです。まだ習い始めで動きの順番すらまだ危うい状態です。ここで少しでもレベルアップしていきたい。そんな気持ちいっぱいで汗を流しました。
また今日は呉連枝老師の六合花槍と劈掛拳を見せていただきました。初めて見る本場の動きに感銘を受け呆けたように見入った私でした。

二日目。
まずは開門八式を用法の説明を交えの練習。
気がついたのは大折江。教室にて習ったものと動きが少し違ったですが、それだけで混乱させられてしまいました。根本的な動きは同じものだろう思いつつも、手足がいつもに増してバラバラに。日ごろの練習不足を痛感させられました。
続いて、ついにきましたビッグウェーブ、単打。ここから先は私のとってまだ習ったことのない未知の世界なのです。短時間で套路を覚えるのは勿論不可能であろうし、今回のテーマは四郎寛の学習であるのだからと、短打はサッとながす感じでした。
そしていよいよ今回のテーマである四郎寛。
難しかったです。
せめて順序くらいは覚えたいと思っていたのですが、それすら間々ならず。
不甲斐ない。
それでも休憩時間に互いに覚えられなかった部分を補い合い、その輪がどんどん大きくなり、最終的には体育館いっぱいにマスゲームを繰り広げているかの様になっていったのには何やら一体感のようなものを感じ、とても楽しいものでした。

三日目。
今日は一日みっちり四郎寛でした。昨日習った部分の復習と、後半部の学習。
難しい。後半部は前半部より輪を掛けて難しかったです。
それは参加者の大半が同様であったようで、休憩時間も復習に明け暮れ、もはや休憩持間と講習時間の境目がわからなくなる程でした。
私はと言えば、前半部に関してはなんとか順序は覚えたつもりにはなれたのですが、後半部はもはや着いて行くことも間々ならない状態。転身が激しく、その度に方向感覚を見失う始末でした。無念。
今後いつか四郎寛を習う時に少しでも助けになれば良いと切に思います。
さようなら四郎寛、また会う日まで。
講習会の最後は呉連枝老師のQ&Aコーナー。
技の用法や実戦に際しての心構えその他様々な質問に、ユーモアを交えて回答する老師から発せられる柔和な雰囲気に、講習会は和やかな終わりを迎えました。

不安いっぱいで始まった講習会でしたが、自分にとって有意義な講習会でした。
と言いたいところですが、今回の経験を本当に有意義なものとするのは今後の自分自身であると言うことを肝に銘じ、日々練習に励みたいと思います。

柴木 智史(横浜教室)



難度の高い動作は、何回も繰り返し解説します。 四朗寛で多用される、特殊な手形についても詳説。


八極拳を始めてはや7ヶ月くらいになりますが、服部先生より今回講習会を受けたいとお伝えしたら、呉連枝老師はとても気さくな方だから是非参加されるといいですよとおっしゃって下さり、ワクワクする気持ちとできるかなという不安の半々で会場に向かいました。

すでに大勢の参加者が集まっていて、みなわいわいと話しながら練習されてるようでした。すると呉連枝老師が入っていらして、思ったよりとても大きくて、いかにも骨太そうなおじさんに見えました。

八式は覚えが悪いため完全にできないところもありましたが、一つ一つ丁寧に説明して下さるので安心して稽古についていけました。昼食後、呉連枝老師から色紙に「人の薬は人」というような意味のお言葉を頂きました。達筆な字でゆっくりと時間をかけて書いて下さり、一生の宝物にしたいと思います。

呉連枝老師が表演してくださった時は、大河が流れているような雄大さに、また表演して見せてくださったことに感動いたしました。

六肘頭の稽古はとても印象に残っています。私は初めて練習をしたのですが、やってるうちにだんだんと体が自然に動いてくるようになって必死に動いていると、慣れないため息切れがしてきました。でも、自分の体の調子に合わせて毎日続けていくことに意味があるのだなあと改めて思いました。
稽古の最後に笑って「ありがとう」と一言おっしゃっていた時、温かい人柄にふれることができて感謝の気持ちでいっぱいでした。
最後に、呉連枝老師、服部先生、関係者の方々どうもありがとうございました。

 山中英子(大森教室)



巷では旅行や行楽が行われているGWの真っ只中、開門拳社恒例の八極拳講習会が行われました。
今回は、七世宗家呉連枝老師を中国からお招きしての講習会ということで、50〜60人もの参加者が集まり、内容の濃い講習会となりました。これまでの講習会では、初心者とそれ以外といったように班分けをして、別々に練習していたのですが、今回は参加者全員が「四郎寛」という長い套路を中心に進められました。

初日は基本となる歩形の確認から始まりました。いつもは馬歩・弓歩・四六歩・独立歩を中心に練習しているのですが、今回は仆歩と盤歩を加え、細かな注意点を交えて指導していただきました。
時間的には短かったものの、老師に直接指導して頂いているということで、気分が引き締まりました。

八式の練習では、一つずつ用法を示して頂きながら進められました。印象深かったのは、八式に含まれる六大開の説明についてでした。いつも練習では気をつけていたつもりでしたが、一番強調されている六大開の一つだけに気を取られ、それ以外の六大開にはあまり注意を払っていなかったようです。もう少し全体のバランスも考えて練習する必要があるように感じました。

初日の最後は、対錬で締め括られました。山形で対錬を行う場合は、メンバーも少ないため、毎回同じ人と練習することになります。講習会のように人の多い中で練習する場合には、今まで対錬を行ったことの無い人と練習することができるため、新たな発見もあります。
また、今回は六肘頭に関しても、6つの攻撃方法と6つの防御方法の説明もあり、分かりやすい内容だったと思います。

2日目、午前中は単打の練習から始まり、午後からいよいよ四郎寛の練習となりました。
四郎寛は以前に学習した事があったものの、その時は長い套路のために順番を覚えるので精一杯でした。
このため、今回の講習会では細部の確認を第一に考えていました。
前半部分は仆歩などの上下の移動が多く、発力が大きい部分が多いような感じを受けます。
また、小架や単打といった套路はほぼ一直線の演武線上で行われますが、四郎寛では円の動作が入ってきます。
四郎寛全体に共通しているのは、体をクネクネと動かす動作が多いため、なんとなく一般的な八極拳のイメージからは離れている気もしますが、そこが呉氏八極拳の特徴になるのだと思います。

3日目は前日の復習を行った後、四郎寛の残り部分の講習となりました。
前半部に比べて、後半はさらに難しい動作が増えます。
繰り返し動作も多いのですが、微妙に異なる動作が入ってくるため、初めての人は混乱も大きかったと思います。私としても、以前に学習した事があるとはいえ、多少動作の順番を知っているだけなので、各動作のチェックにはかなり苦労しました。
以前に学習した時と動作が異なる場合もあり、その修正にも時間がかかりました。
講習会には各地の同門の方が参加されていたため、様々なバリエーションの四郎寛を見る事ができたので、少しは幅ができたのではないかと思います。

今回の講習会では、套路だけに留まらず、散手の説明を聞くことができました。
老師のような動きをする事はできないものの、理論を学習できたことで多少のレベルアップができたのではないかと思います。
また、各地の同門の方と交流を持つことができたのも、今回の講習会の収穫だったと思います。最後に、御指導頂きました呉老師、服部先生、指導員の皆様ありがとうございました。

須藤 覚(山形支部)



老師の熱心なご指導により、皆、なんとか最後まで套路を学ぶことができました。 呉連枝老師に感謝の拍手。


2002年4月28〜29日と5月3〜5日に八極拳七世宗家呉連枝老師による、六合花槍及び四郎寛の講習会が行われました。

 28日は六合花槍の講習で10時より始まり、槍の套路の前半部分を教わりました。2日目、29日は午前中套路の前半を含め後半を学び、午後は全体を通して総復習をしました。そして皆套路を覚えた頃2人ずつ老師に見て頂き、覚えたつもりでしたが緊張して真っ白になってしまいました。が、講習会も終わりに近づく頃一通り套路の順番は覚える事が出来ました。私が教わった事のある兵器は提柳刀で、槍のような長い兵器は初めてで扱うのは大変かと思われましたが、套路の動作に矛盾がなく合理的に構成されていて、順番を覚えるのは思っていたより苦痛ではなかったです。

 さて、5月3日からは呉氏開門八極拳の精華と言われる四郎寛の講習会が行われました。初日は歩形から始まり基本功、小架そしてその用法を教わり実演してくださる動きの滑らかさには感嘆するばかりでした。2日目午前中は単打の講習で、午後からいよいよ四郎寛の講習が始まりました。まず套路の前半をじっくり教わりなんとか順番は覚えたものの、半分だけでもそれは長く身法も難しくまだ半分残っていると思うと、あと1日で覚えきれるか心配になりました。無情にも時は経ち最終日となってしまい、午前中に套路の前半及び後半を学びました。それは想像以上に難しく必死になって覚えました。そうこうしているうちに午後になり、もうあとはやり込むのみでした。
 老師は今回覚えた六合花槍と四郎寛はこれからじっくり練っていき、特にこれは覚えてからが非常に難しいと言っておられました。

 そして、5月6日に呉連枝老師歓送会があり、老師も終始ご機嫌であった様子で、笑い声の絶えない楽しいひと時を過ごしました。
 幸運にも私の自宅が講習会場と老師が滞在されている服部先生宅に近く、先生がこの講習会の間幾度か夕食を一緒にと招いてくださいました。しかも老師がすべて料理を作り(楽しそうに鼻歌を歌いながら)、皿に食べ物が無くなれば「たくさん食べなさい」と盛ってくださったり、グラスが空けばお酒を注いでくださったり、講習会でお疲れにもかかわらず気を遣ってくださいました。私は中国語が話せなく、感謝の気持ちさえを言葉に出来ない事が非常に悔しく思いました。中国武術という文化の一つに触れている以上、その国の言葉を学ぶ事は必須だと思います。

 最後に、講習会が終わり改めて感じたのは、自由に身体を動かす難しさ、呉氏開門八極拳の奥深さでした。
 そしてなにより、呉連枝老師のいろんな意味での大きさとその貴重な機会を与えてくださった服部先生に感謝し、一層鍛錬に励みたいと思います。

須原和彦(本部教室)



講習の合間には、服部代表への指導も。
(九宮純陽剣)
太宗拳


 5月。いわゆるゴールデンウィーク連休の後半に、中国から八極門宗家の呉連枝老師をお迎えして四郎寛を直接指導して頂く講習会が開催された。私は「このチャンスを逃す手はない」と考え、勇んで参加した。

初日
 会場となる小学校の体育館へ着くと、既に大勢の参加者が柔軟体操などでせわしく体を動かしている。なんとなく「負けていられないなぁ」と私も早速柔軟体操にいそしむ。程なくして予定の時刻となり講習会開始。

基本功として立ち方の練習、対錬からはじまり、馴染みのある開門八式へ。昨年の同時期の講習会では数をこなして体に覚え込ませる厳しい反復練習が行われ疲れ果てた記憶があり、ここまでの練習で早くもヘタってしまった私はおじけづいてしまった。しかし呉連枝老師は一式ごとに身体の要求点、用法、変化等々詳しく説明して下さり、改めて学び直す事が多かった。
老師は説明の際に始終「八極拳は両儀の変化だ」と実例を示され、両儀の重要性を説かれていたのが印象的だった。

お昼休みを挟み練習再開。開門八式の練習が終わり、小架一路の練習に移る。初日に小架一路、単打の練習をして二日目より四郎寛の教授を
受けると伺っていたので「今日中に単打の練習まで進むには時間がないのでは?」と思っていたところ、呉連枝老師あまりの熱の入れ様に用法等々の解説に花が咲いて時間を費やし、本日は小架一路までとの事。四郎寛を学習する時間が減ってしまう事を心配しながらも対錬を復習して本日の講習は終了する。初日ですっかりクタクタに疲れてしまい、明日からの練習が不安でいっぱいになる。

二日目
昨日は小架一路までだったので、単打の練習から開始。なんとなく昨日より体が重いが皆と一緒に黙々と練習を始める。前日同様、呉連枝老師に用法等々を教授して頂く。
 午後よりついに今回の主題とも言える四郎寛の練習が始まる。全員列になり、前に立たれた呉連枝老師の動きを見て真似をする。初めて見るような動作も少なくなく、套路自体の長さもあってかとにかく覚えられない。動きの意味も解り難いものが多く(個人的にか?)いまいち流れをつかめない。とにかく反復練習あるのみ!と少し進んでは初めから復習。皆の動きを確認しながら套路を繋いでいく。今回初めて四郎寛を習う人達も、おそらく同じ気持ちであろう困惑の表情。初めて教わる横方向にも進む套路はいっそう難しい。

途中小休止を貰うが誰もが復習に余念が無く「休んでいる暇など有るものか!」とあちこちで四郎寛練習会が開催される。誰かが練習しているとなかなか休んでいられないものなのだ。見るに見かねたのであろう服部先生の天の一声。「四郎寛は長く、発力も激しいのでちゃんと休憩しましょう。」その有り難いお言葉に皆がようやく呪縛から開放される。先生のお気遣いに感謝。休憩後も黙々と練
習は繰り返され、套路の半分程進んで二日目終了。頭の中で四郎寛(前半)がグルグル回った状態で帰路に着く。

最終日
さすがに体は重く、やたらとかたい。そうも言っておれず今日中に「せめて順番だけでも覚えて帰らねば!」と意気込む。前日の復習から始まり先へと進む。套路全体を見せて頂いて思った通り後半部分は解り難く、複雑な動作の数々に皆について行けない事もしばしば。自分の手足が皆と逆であったりする事も少なくなく、前日に理解していたつもりの動作を指導員の方に訂正される事さえあった。疲労のせいか集中力も切れ切れ。それでも反復練習の成果か、なんとなく全体がつかめた様な気もしたがそれも束の間、一つ掴む度に別の何かが抜け落ち、なかなか套路がつながらない。しかしなんとか皆と合わせて通しで出来たときはとてもうれしく、なんとなく流れが解ったかな?という状態で今講習会の終了を迎える。

 三日間通して随時呉連枝老師、服部先生が技の用法を見せて下さり、套路が意味の解らない無駄な動作にならずに済んだ。服部先生の通訳が絶妙で、お二人のやり取りが漫才の様で大変楽しかったです。服部先生が崩され痛がるレアなお姿も拝見する事ができ、あらためて「呉連枝老師スゴイや!」と感銘を受けました。(服部先生、文字通り身を粉にしての説明有難うございました)
 呉連枝老師には膝の具合が悪いのを推しての徒手・兵器の套路の披露、休憩時間のサイン会等々のサービスを頂き、そのお人柄と八極拳に対する思い入れが伝わってくるようでした。
 丁寧な説明の多かった今講習会、その最期に呉連枝老師より「一人一人自分で考えて練習しなさい」とのお言葉。ただ教わるだけでは駄目なのだと肝に銘じ、次回お会いできる時には少しでも向上できているようこれからも練習に励みたいと思います。

宮島健二(荻窪教室)


最終日を終えて。全員で記念撮影。




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