2021.GW 第19回 呉連枝老師八極拳講習会

2021年4月29日~5月5日

本年はコロナ禍のため、呉連枝老師の来日はかないませんでしたが、老師より呉氏開門八極拳の普及と学習者のレベルアップのため、開催のお勧めを頂き、
【第十九回開門拳社主催 ゴールデンウィーク講習会】を行うこととなりました。

●4月29日・5月2日 八極拳基礎講座

●5月3日~5日 八極拳上級講座

「秘伝」誌 記事掲載のお知らせ

武術専門誌「秘伝 2021年7月号」に、当会のGW講習会の取材記事が掲載されました!

「徒手と六合大槍の用法において示す 八極拳の”六大開”」
・四朗寛で養う柔らかい動き
・徒手と兵器の相関関係
・「自分の頭を開く」講習会

ぜひごらんください!

出版社公式サイト

amazonで見る

【コロナウイルス対策について】
・参加者には家を出る前に検温を義務付け、会場入口でも非接触式体温計で検温をしています。
・会場入口に各種消毒液を用意し、出入り時ほか随時、手や器械の消毒に使用しました。
・講習会では常にマスクを着用しています。
・会場は常に換気をし、休憩を多めにし、マスク着用の疲労を軽減しました。
・ソーシャルディスタンスに留意して間隔を広めにとっています。

※撮影時のみ、無言で集まり、ファインダーに収まるよう人物を配置して撮影をしています。


両儀 このページの下へ 両儀

基礎講座が始まりました。開門八式を服部先生と指導員がチェックします。

小架一路。

ひとつひとつの動きを、腕の角度・足の位置など細かいところまで丁寧に指導します。

・はじめに

 この文章は2021年ゴールデンウィーク中に行われた呉氏開門八極拳講習会の感想を書いたものです。
 全日程は五日間ですべてに参加しましたが、その中でも印象的だった四朗寛と槍の講習会を中心にまとめました。
 今年はコロナ禍のため呉連枝老師の来日はかないませんでしたが、老師の推薦もあり服部先生のもとで開催されることになりました。
 しかしながら開催日直前で緊急事態宣言が発令されスポーツ活動そのものは自粛対象にならなかったものの、予定していた会場が使えなくなるという状態になりました。
 一時は開催が危ぶまれましたが、他の貸し出し可能であった施設で無事五日間の日程を終えることができました。

 

・講習会に参加してみて

 エンジニア/プログラマーの世界では「完全に理解した」というジョークがあります。
 これはプログラミング言語などのチュートリアルをこなした段階ですべてを理解したような全能感にとらわれてしまいがちであることを皮肉っています。

 あるていど学習状態が進むと「ぜんぜんわからない」になり、自在に使いこなせるようになると「チョットデキル」と言えるようになります。
 あるいは「ダニング=クルーガー効果」という言葉でも表現され、Googleなどで検索すると、急激に上昇し、その後下降してまた緩やかに上昇する曲線が出てきます。
 これは学習過程において自認する理解度と実際の理解度が大幅にずれる傾向にあることを示しています。

 要するに初学者は自分がどれくらい出来るのかを大幅に見誤るということなのですが、自分の経験上武術の学習でも同様のことが発生しがちだと思います。
 講習会に参加することのメリットの一つは短期間で密度の濃い学習や座学を受けることにより、こうした認知の歪みを矯正することができる貴重な機会であることではないでしょうか。
 何度もやっている小架や対練でも自分が勘違いしたり忘れている要素は一つや二つはあるものです。
 今回の講習会だと獅子小張口で水平移動を意識することや六肘頭での冲捶の受け方など言われなければ気づかない動作がいくつかありました。

 

・四朗寛

 四朗寛は比較的長い套路で覚えるのは大変ですが、一度順番を覚えてしまうとそれなりに達成感を感じ、上記の「完全に理解した」状態になりやすいのかもしれません。
 実際の今回の講習会では順番をざっくりと覚えた状態で参加したのですが、実はそれだけでは入り口に立っただけに過ぎないことを再認識するに至りました。
 呉氏開門八極拳では歩法の練習に白馬翻提、鷂子穿林、盤提歩を主要なものとして行います。
 これらは日常では絶対にやることのない動きなのである程度練習しないとできるようになりません。
 初学者にとって歩法というのは形を真似することすら難しいのです。
 四朗寛はそうした形を真似することすら難しい動作を凝縮したような套路であるように思いました。

 具体的には最初の起式からの動作である揺錘はなんとなく腕を振り回しているだけでは技になりません。
 今回の講習会で四朗寛の動作を取り出した対練を行いましたが、これにより体全体の動きから生まれる力を腕に伝えるという必要性が理解できます。
 しかし実際にやるのは非常に難しく、頭で理解していてもなかなか体がついていきません。
 さらに四朗寛は歩きながらの動作が多く、この体の操作の難しさに拍車をかけています。
 単に手や足をそれらしく動かすだけではだめで、体の内部の繊細な動きを感じ取りコントロールできるようになって初めて自分のものにできるのでしょう。
 今回の講習会では先生や教練の方々と動作が比較できるような動画を撮っていただきました。
 動画を見ると技の理解、練度がまだまだ足りないことが一目瞭然です。
 先は長いですが一つ一つ課題をクリアしていくことで理解と練度を高めたいです。

 

・六大開、徒手、六合大槍

 今回は最終日に雑誌秘伝のスタッフの方が取材に来られていました。
そうした日に講習会に参加するのは実は初めてのことだったのでカメラを意識してやや緊張していました。
 会場自体は槍を行うには狭い場所で自分は天井や壁にぶつける不安があったので棍を持っていきました。
 しかしながら、やはり槍頭をつけたほうがその重さから感じられるフィードバックがわかりやすいということで貸してもらうことにしました。

 棍で欄拿扎を行うことは可能ですが、やはり形だけ合わせた動きになりがちです。
それと対照的に同様に槍頭の無い大杆子は、その長さから強い回転運動のモーメントが発生し体の奥深くの動きを使わなければまともに振ることができず、体に受けるフィードバックがわかりやすい武器といえます。
 こうした普段あまり使うことのない武器を使った密度の濃い練習や対練を経験できるのも講習会ならではだと思います。

 そして会場の都合により六合大槍は座学という形を取ることになりました。
 講習会で六合大槍の套路を見るのは初めてでしたが六合花槍と比較するとシンプルで実用的な単式の組み合わせであるように見えました。
 配布された資料では六大開と徒手、六合大槍の動作の対応関係が記述されており興味深く見ることができ初学の自分にはありがたかったです。
 六合大槍の動作に対応する六大開の欄に「劈」があったので不思議に思い質問してみたところ六大開の動きが内包されているということでした。
 つまり劈そのものの動作に六大開の要素が含まれており、また六大開の視点からも劈の動作を見出すことができます。

 以前の呉連枝老師の講習会で「六大八招により無限に技が生まれる」というお話がありました。
 八招とは八だけではなく無数にあるという意味を含み、八招だけでなく六大開自体も組み合わせの結果により無数の技の基礎になるということでした。
 一つの動作の中に複数の六大開が含まれているように、六合大槍でも対応する徒手でも六大開が含まれて構成されているという、考えてみれば当たり前のことですが今回あらためて認識を深めることができました。

 これは自分の考察ですが、数学的に考えると6から1つを選ぶ、6から2つを選ぶ、6から3つを選ぶ…とすべての可能な組み合わせ数を列挙してみます。
 n個からk個選ぶときに組み合わせ(Combination)がnCkで表されることから、6C1 + 6C2 + 6C3 + 6C4 + 6C5 + 6C6 = 63通りとなります(六大開を使わないものがあれば 6C0=1 を足して64通り)。
 さらにそれぞれの動作が時間軸に沿って複雑に組み合わさり技が生まれていくことになります。
 また何かの技を分析するときにも六大開理論は役に立ちますし、その動きができているのかどうか自分の習熟度を測る基準にもなるでしょう。
 四朗寛でも六合大槍でも単に形を真似するだけでなく、六大開に代表されるような体の奥深くの動きを感じ取り観察する、ということを練習でも意識したいです。

 

・おわりに

 今回の講習会が開催できるように取り組まれた方々に深く感謝いたします。
 服部先生、事務局様、開門拳社の教練の方々、本当にお疲れ様でした。
 普段の練習でも検温、アルコール消毒、マスク、換気の徹底と以前の風景とは全く違うものになりましたが、やはり健康のために続けられるものをやりたいと始めた事なので対策をしつつ可能な限り練習をし、免疫力を高めておきたいです。
 実際に八極拳を始めてから仕事の疲労による体調不良や病気にかかりづらくなったという実感があります。
 まだまだ困難な時期が続くかもしれませんが、できる範囲で地道に練習を積んで乗り越えていけるよう、初心に返り気持ちを新たにすることができました。

本部教室 M.T

服部先生による、站椿功のフォーム修正。基礎固めは大切です。

実戦用法を実技で示します。

2021年ゴールデンウイーク講習会参加レポート

 去る4月29日より、ゴールデンウイークの講習会に参加させて頂きました。
コロナ禍の影響により、今年も呉連枝老師の招聘はかないませんでしたが、普段の練習を振り返る格好の機会でもあり、厳重な感染症対策のもと、基礎講習会二日間、上級講習会三日間に参加することができました。

 基礎講習会ではまず、站椿、歩法、開門八式、そして小架一路と六肘頭についてご指導頂きました。
 基礎といっても年を追うごとに難しく感じることが増え、練習の不足が身につまされます。
 また今回はミットを用いた対練も、じっくり時間をかけて行うことができました。
 その中で痛感したのが、実際に物を打つ練習もしないと、基本が守れているかどうかわからなくなるという事です。

 対象に正しく力を伝えるために、姿勢の正確さや、体の各部の協調が求められると思うのですが、空打ちで練習しているときには、多少不正確な部分があっても、打った気になりがちでした。
 実際に物を打つときにこれらが不正確だと、うまく力が伝わらないだけでなく、自分の体にダメージが跳ね返ってきます。
 それで、何故その要求なのか、要求はどれくらい精密なのか、ようやく真剣に考え始めるという感じです。
 気を付けていたつもりで、まったく不充分だったことは、実は先生が最初から教えてくださっていた内容ばかりです。
 噛んで砕いて一貫した説明を受けていながら、受け取る側にそもそも、理解できる能力が足りなかったとしか思えません。

 またミットを打つ練習をすると、打った側よりも、ミットを持っている側の人のほうが、打てているかどうかよく分かると感じます。
 これはミットを持ってくれた人に感触を教えてもらいながら、辛抱強く調整を繰り返す必要があると思いました。
 よく武術の独学はほぼ不可能に近いといわれますが、その理由の一つなのかもしれません。

  続く上級講習会では、四朗寛の套路、套路からの抜き出し練習、用法対練、槍と徒手の関係についてご指導頂きました。
 指導員の方も仰っていましたが、基礎の練習の中にとても高度な内容が含まれていると同時に、上級の内容では、基礎に立ち返らなければ理解できないことが、とても多いと思いました。
 これは特に用法を考えるときや、普段は行わないような対練を、套路から抜き出して練習するときに痛感します。

 套路から抜き出し対練をすると、うまくかからないので、対練相手に教えてもらいながら原因を探ると、身体の使い方が基礎から外れていた、ということがとても多いです。
 そこで基礎から見直そうとすると、そのときに他の套路や招式との類似性に気がつくことがあります。
 これも一人で套路を練習しているときや、単招式を空打ちで練習しているときには気づきにくいと思いました。
 特に四朗寛のような難しい套路では、表向き形を似せようとするのに精一杯で、身体の使い方が基礎の延長線上にあるかどうかを考えられていませんでした。

 四朗寛の秘密は、招式の構成や用法そのものというよりは、指導を受けながら正しく練習を積むことで作り上げられる、身体操作の発展にあるとのことです。
 四朗寛を練習するのに、小架や単打が参考になるのと同じように、四朗寛の理解が進んで身体操作が開発されることによって、小架や単打が発展するという循環を、指導のもとで目指さなければならないと思いました。

 また槍と徒手の関係については驚きの連続でした。
 まず掃堂堤をはじめとする徒手の用法が、見ていてとても怖かったのを覚えています。
 四朗寛にある招式の中では跳鈎子を恐ろしいと思っていたのですが、爬山、定陽針のような例も見せて頂くと、もしかして殆どの用法の怖さに気付いていないだけなのではと思いました。
 特に大槍を振るうように掛ける徒手の招式は、見た目の美しさとは似つかわしくない結果しか想像できません。

 丹田から起動して胯から力を出すといわれますが、身体のそれ以外の部分は、力をせき止めずに伝達し、少しずつ増幅してゆく役割を担っているように見えます。
 これは武器を持っていても変わらず、武器の内部にも力を伝達するという役割が含まれていて、おそらく槍のように重くて「しなる」武器のほうが、力の伝達を確認しながら練習するのにも適しているのではないかと思います。
 特に大槍のような武器は、他の武器より重くて長いので、大槍を練習している人の徒手が良くかかるのも、打撃だけでなく投げや禽拿でも、相手の身体の内部まで大きな力を伝えられるからではないかと感じています。

 服部先生が小纏をかけるときに、接触している手首ではなく、相手の首や背骨に効かせるところを見せて頂いたことがあります。
 相手の体に触れている場所ではなく、もっと奥の方にダメージが生じるのを不思議に感じていたのですが、今では武器を操作するように相手の身体を操作しているのではないかと想像しています。
 恐怖で自分の体が硬直すれば、なおさら武器のように扱われてしまうとしたら、とても恐ろしいことです。

 今回の講習会を通じて、八極拳の伝統的な練習法を、現代でも学ぶ機会が得られることの有り難さを、あらためて強く感じました。
 映像を見たり本を読んだだけでは辿り着けない理解へと、先生や諸先輩方が導いて下さっていることを思うと、普段の練習不足を恥ずかしく思わざるを得ません。
 来年の講習会までにはコロナ騒ぎが落ち着いて、今年より少しでも精進できていることを願うばかりです。
 最後になってしまいましたが、今回の講習会を企画し、ご指導くださった服部先生に、そして参加者の皆様に、こころから感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 

本部教室 高須

ミットを使い、打撃を体感します。

2021年度 開門拳社 GW講習会レポート

 

 2021年5月、昨年は新型コロナウイルスの流行により中止になってしまった開門拳社恒例のゴールデンウイーク講習会が行われた。
  直前に緊急事態宣言が発令されるなど、まだまだ新型コロナウィルスは猛威を振るう中でマスク装着、徹底的な消毒など、これまでにない形での開催となった。

 今回行われたGW講習会は合計5日、4月29日と5月2日に【八極拳基礎講座】、5月3~5日に【八極拳上級講座】が行われ、私は後半の上級講座の方に参加したので、こちらはそれをレポート致します。

 

 上級講座一日目

 呉氏開門八極拳を理解する上で、学習するべき套路は3つあると言われる。小架、単打、そして四朗寛である。
 四朗寛は昔より秘伝とされ、呉家の一部の人間にのみ伝承されてきた歴史を持つ套路であり、現在の宗家である、七世掌門人である呉連枝老師によって初めて公開された套路である。   
 今年の講習会の上級講座のテーマはこの四朗寛と八極拳の代表的な兵器である槍であった。初日は四朗寛を指導して頂いた。
 今回は参加者が套路の順番は一通り覚えているという状態だったので、套路のポイントになる動作や難度が高く、動きの意図をつかみにくい動作の用法を理解するための対人練習を中心に行われた。

 揺錘、順歩単提などを相手がいる時に、どういう風に体を使えばいいのか、相手が押してくるときに歩はどのように用いるべきか等、普段の教室と違う相手の力を直に感じられるのはとても貴重で得難い経験である。
 套路の動きの解釈が相手の圧をかけられた状態でもきちんと成立するのか?圧をかけられた時に無理な力を使っていないか?姿勢は崩れていないか?など色々とチェックさせて頂いた。

 

 上級講座二日目

 二日目も四朗寛を中心に稽古は行われた。一日目は、対人練習を中心に行われたが二日目は全体の動作を確認、それぞれうまくいっていない動作の修正や難しい身法を要求される部分を詳細に指導していただく。
 四朗寛は大きな発力を要求される動作は少ないが高度な身法を要求される部分が多くその解釈も多岐にわたる部分は多い、二日目は教練も多く参加されていて、教え方も伝え方も動きもそれぞれの特色があり、一つの套路でも色々な解釈の方向、向き合い方があるのだなと感じる。

 長年練習するとそういった色がしっかりと出てくるものである、それもまた武術の面白さなのだなと思う。このような部分によって人を知る、人と関わる、というような事もまた以武会友とも言うのかもしれないなと思った。そしてまた、自らもまた練習の中に、そういった日頃の練習、態度、人柄が顕れるのかもしれないなと、襟を正す思いになった。

 

 上級講座三日目

 最終日の三日目は月刊秘伝の取材もあり、理論解説やミット打ち、そして槍などを中心に指導していただいた。久々のミット打ちで拳と歩の関係を改めて考えさせられた。
  前半はミット打ち、どうしても対象物への打撃が目的になり、そこに意識の大半を向けてしまいがちになる、すると歩が焦り、疎かになる、八極拳の力の中心である脚部からの力が使えなくなる。
  頭では理解できていても、実際に行った時にどうなるかは検証してみて誤差を知る、そこからまた一人で行う套路にフィードバックをしていく。基本的なことではあるが、とても重要だし、それを外から見て指導していただくことのありがたさも改めて痛感する。

 後半は槍と徒手との関係について理論解説を受ける、槍と徒手の関係は漠然とは感じていたことではあったが改めて教えていただきそこを整理して理解することができた。

 

 終わりに ~四朗寛について~

 自分が初めて四朗寛を教えて頂いたのはたしか18年程前だったと思う。当時高校生だった自分は呉氏開門八極拳の秘伝と言われる四朗寛を見た時にもった感想は
「何か踊りみたいだな」
という少し戸惑いを覚えたものだったと思う。
 まだ八極拳を学んで2年程度しか経っていなかった無知な私は発力が強力で実戦を重視する八極拳の極意だから、さぞ強大な技があるに違いないと思っていたのだ。

 今になってみたら仕方なかったかとも思うし、もちろんひたすら無知を恥じる所もあるが、しかしその後18年の月日を経た今、改めて四朗寛について思うことは

「四朗寛は舞踊の要素を強く持った套路ではないだろうか。」

ということである。

 踊り、舞踊というと中国武術にある言葉の「花拳繡腿」を連想するが、それは舞踊を「衆人の目を喜ばせるためのダンス」として捉えているところが多い気がする。
  四朗寛における舞踊的な要素はそういった物とは違う、もっと舞踊の本質に迫っているものではないかと思う。

 舞踊とは太古から連綿と続く歴史、思想、身体技術等を継いでいくための伝承形態である。世界のどこの民族でも歌と踊りを持たない民族はない、文字の発明よりもずっと古くから続いている原始的な文化である、日本でも「神楽」や「能」などはもまた連綿と古い文化、思想、身体技法を保存していると考えることができる。

 なぜ昔の自分が四朗寛に戸惑いを覚えたかというとそれは「武術は使うもの」と考えていたからだと思う。
 それは一面的には間違っていない、もちろん武術は対人戦闘を想定した技術体系を根底に成立している、だから対人戦闘の優位性を求めることは間違いではない。故に用法解説、対人練習によってその用法と研究することも間違いではない、しかしそれがすべてだと思うと套路というものが持つ様々な要素を取りこぼしてしまう。

「用法は大切だが、用法だけを見ていると四朗寛は理解できない。」
今回、服部先生が一日目に言われていたことであるが、まさしくそうであると思う。

「套路は作品である」

 この視点が、最初に学んだ時の自分にはない発想だったように思う。その作品を読み解き、考え、検証し、演じることによって理解を深め、それを作った先人たちやそれを伝えてきた人々と対話していくように理解し、再現できるようにしていく。それが套路が持つ可能性ではないだろうか。 それは「対人戦闘技術」という視点からではそこに近づくことは難しいような気がする。

「八極拳は文化である」

 呉連枝老師はよくそう仰るが、これは綺麗ごとでもなんでもない。文化として捉えないと八極拳の本質を知ることはできないのではないか、八極拳は無機質な戦闘技術の集合体ではない、文化として見なければ八極拳の持つ素晴らしい面をあまりにも多く見落としてしまう。

 

 新型コロナウィルスの影響で社会が変わりつつある。人と接することの意味が変わりつつある今、武術もまた対人格闘技術とは違う価値を求められつつあるのかもしれないと感じることがある。
  世事に疎く愚昧な私にはそれがどういう物なのかはわからないが、套路などの芸術的側面、站椿や気功が持つ宗教的側面が新たな光が当てられる日がくるのかもしれない。温故知新という言葉があるが、それは伝統の持つ多様性、多義性に目を向けることかもしれないと今回の講習会で思った。

 

 最後に、急な緊急事態宣言の発令などで大変な中、講習会をしていただき、熱心に指導していただいた服部先生。会場の確保、感染予防などをしていただいた事務局様。そして道具の運搬などをしていただき、指導補佐をしていただいた教練の皆様、参加者の皆様にも感謝しております。

 

2021年 5月 大森教室 高久慎司

呉氏開門八極拳の上級套路「四朗寛」を練習します。このあと、二人ずつで表演し、動作チェック・アドバイス・動画を撮影しての復習を行いました。

さまざまなサイズと形状のミットを打つことで、相手の身体のさまざまな部位への打ち方、打撃力の伝わり方、貫通の感触などを掴みます。


武術専門誌「秘伝」の取材を受けました。「秘伝 2021年7月号」に、掲載されます!


取材のテーマ 「徒手と六合大槍の用法において示す 八極拳の”六大開”」を示演・解説する服部代表。

槍を操ることは、下半身そして全身の強化、姿勢の補正、功夫を養うことにとても役立ちます。

劈杆子。

ご参加されたみなさま、お疲れ様でした!

  両儀 

まとめ

コロナ禍で一時は中止も危ぶまれましたが、2021年のGW講習会は、おかげさまで円満に終了致しました。

ご協力、ご参加された皆様、お疲れさまです。今後の稽古に役立つものを掴むことができたでしょうか。レポートしてくださった会員の方々も、ありがとうございます!
これからもみんなで頑張りましょう!ありがとうございました!

開門拳社代表 服部哲也

両儀両儀  両儀両儀


両儀 このページの上へ 両儀 

両儀両儀