はじめに
2002年のGW講習会の時、呉老師に初めてお会いしてその人柄に触れてから、あっという間に2年が過ぎ、またGW講習会でお会いできると聞いた時、今回の講習会テーマは「単打、対打」であるが、「中国語で呉老師ともっと多くコミュニケーションする」が自分の中でのテーマになった。
前回の時は最初と最後に丸暗記の挨拶しかできず、もどかしい思いをしたので、現在勉強中の中国語でどのくらい通じるか分からないが、講習会中は毎日バックに日中辞典を入れて電車の中で単語を引いて、参加していました。
以下はたどたどしい中国語会話を中心にした6日間に渡るあまりにも私的な講習会レポートです。
第一課(4/29)好!
朝、会場である体育館に着くと入口のところで呉老師がタバコをすっていらしたので、早速ご挨拶しに行く。 「好!我姓浅井。」とここまで言うと「知道,知道。」と応えられ、タバコを差し出される。2年前にお会いしただけなのに覚えていただけていたのが嬉しくて、嬉しくて有頂天。タバコをいただきながらも、なんとか「再能見面,非常高。」
テーマは日頃練習が出来ない「槍」で、六合花槍の套路が中心で、自分ができていないところがチェックでき、またVS刀、剣、短棍の用法説明で、なにげない套路の動きがこういう意味だったのかと興味深い。
講習会が終わって帰ろうとしたら、目の前の呉老師がいて「累了?」と声をかけてくれたので精一杯ピン音に注意して「我很累了」と答えて「再見」する。
第二課(5/1)老師曰、「是学生,是朋友。」
テーマは今回一番楽しみにしていた「内功五法」で、松田隆智先生達も来られ、またDVD撮影もあり、会話は挨拶の「好!」のみ。内容は期待通りで、呉老師が実演を交えながら、ホワイトボードを使用して八極拳の思想的、数学的、力学的、医学的、技術的背景が次々と説明されると、まるで大学の教室で教授から講義を受けているかのよう。呉老師の八極拳に対する知識の深い一面を垣間見るとともに、今更ながら両儀の重要性に気付かされる。
呉老師が終わりの挨拶の中で「皆さんは学生ですが、友達でもあります」は心に残る。
第三課(5/2)我的心象是不?
テーマはまた「槍」。「六合花槍」では、六大開を考えながらやっていると中々槍が手に付かない状態。また「六合大槍」や「劈杆子」は非常に疲れる。休憩時間に前日の両儀について「我有一个問題。昨天…」。語彙が少なくちゃんと質問できているか自信がなく、呉老師も一生懸命答えてくれるが自分の理解に自信がない。50%位か。そこに服部先生が来てくれたので助けてもらい、自分の理解が確認できる。服部先生に謝謝。
帰りに呉老師が「累了?」お風呂に入れば疲れがとれるよって言ってくれたので、「回家了,就是洗了澡。」と答えて「再見」する。
第四課(5/3)今天有点儿冷了
先ずは朝の挨拶で、くずれた天気の話。呉老師は大丈夫とのこと。
テーマは老老小架、老小架1〜3路、単打。本邦初公開の老老小架では、目の当たりに凄い発力。休憩時に同学に質問を頼まれ「老小架起式的候,左足先,是右足先?」で「左」、なお男女の違いには自分で答えて呉老師に「男的左足、女的右足,不?」で「」。自分自身は老老小架で掌転の後が横拳か確認をする。
メインテーマの初日だったので、全国レベルでいろいろな懐かしい顔に出会えて嬉しい。特に休憩中、服部先生とある先生の友だちとの会話は、かけあい漫才みたいでとても面白い。一聴の価値あり。
終りのほうで単打。推山の後、猛虎翻身まで動作が3種類あり初めてでうまくできない。
第五課(5/4)我非常感!
メインテーマの続き。午後はDVD撮影。
呉老師が単打を表演。迫力満点で“凄い”の一言。特にバスケットコートのサークル内での単打は“物凄い”。こりゃ打たれたら本当に死ぬなと思う。
また呉老師と服部先生の対打も鬼気迫る。こんなにも激しいものなのか。呉老師、服部先生のお二人の武術家としての怖い一面を垣間見る。 休憩時にまた質問。老老小架で「通背式,翻身以后,掌打的候,架式是弓歩?」と聞くと「,!」。昼休みに「小里打打的候,我非常感!因的力很大,累了?」に「一点儿。」と答えられた後、「私は58才です」と初めて日本語で話される。びっくりして思わず「我是五十三」と言ってしまう。
第六課(5/5)累不累?
最終日のテーマは、ホワイトボードを交えてAMは中国、PMは六肘頭、行劈拳。 講習会中は休憩時にいつもタバコをご馳走になっていたが、いつもの赤いパッケージではない今日は青いパッケージ。雲南のタバコとのこと。「在北京回云南的烟?」に買える、雲南のタバコは好きとのこと。
全日程が終了して体育館の出口へ向かっていく途中、後ろから「累不累?」と声がかかる。この会場で一体誰が中国語で話しかけてくるのかと振り返ると、そこにはニコニコしている呉老師が。思わずニコニコにつりこまれ「我很累了。」と答えつつ、中国語に全然違和感がなかった自分に驚く。ずっと中国語のことを考えていたからか。 最後に「指了很多,謝謝」で「再見」する。
最後に
2年前と変わらずやはり呉老師はすごく良い人だった。
まるで白人とネイティブアメリカンが初めて遭遇した時みたいな自分の中国語にもちゃんと聞いてちゃんと答えようとしてくれるやさしさ、誠実さをいつも感じ、講習会が終わったばかりなのにまたスグに会いたくなる人でした。
またコミュニケーションについての自己採点は50点で、次回はもっともっと会話できるようになりたいので、八極拳とともに中国語も勉強を続けていこうと思いました。
このような素晴らしく、楽しい講習会を開催していただいた服部先生に非常多謝。来年も楽しみにしております。
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