2004.5 呉連枝老師講習会レポート-2


▲六肘頭の拳理解説。


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 今年の講習会は、とても有意義な時間を過ごす事が出来ました。
 正直今までは、みんなに付いていくのが精一杯で講習会中は自分を省みることすら出来ませんでした。でも今回は、他の教室の方をはじめ、全国から八極拳を学んでいらっしゃる方と接して痛感したのは、自分の練習量の足りなさでした・・・。そして八極拳に対する理解力・・・。
 悔しかったですけど、練習してないのであたりまえかぁと思いました。
 でも、自分がわかったので良かったと思います。手型も歩型もとれてない!
 基礎が出来てない事がこれほど違うんだ!とほんとに痛感しました。
 日々、服部先生が注意してくださってるのに今更ながら気づき、あほだなと思いました。はじめからやり直しです。

 今年は、内功法の講習会がありました。服部先生のお勧めということで、参加しました。
 まず驚いたのは、呉氏の“呉”という字が両儀を表しているという事でした。呉氏が八極拳を伝えていることに運命的なものを感じてしまいました。
 すごいですね。両儀は重要で、毎日15分とれば功夫が養えるそうです。
 15分は厳しいなぁ・・・。5分とれるかどうかもわからないし・・・。と弱気になってしまいましたが、折角上達する方法を教えて頂いたので少しずつ頑張りたいと思います。
 そして、無形。ひとつの形にこだわるのは八極じゃないんだ。と思いました。
 内功法はメモをしながら、呉先生の動きも見れたので解り易かったです。

 5月3日は、老小架を教えて頂きました。
 老架子は、迫力があって好きになりました。でも物覚えが悪いので、なかなか覚えられませんでした。休憩時間にみんなに聞いてなんとか順番は覚えられました。
でも、次に老小架1・2・3と、習っていくうちにコンガラガッテしまい覚えた筈の老架子までアヤシクなってしまいました。
 いつもなら、自己嫌悪に陥って哀しくなってしまうのですが、今回は自分の実力が急に理解できました。ので、哀しくなりませんでした。
 それは、わたしは物覚えが悪いという事です。なにを今更というかんじですが、開き直れたというかんじです。自分で認められるまでは、悔しかったです。でも、認めちゃうと楽ですね。
 それで、好きな架子だけでも自分で覚えてできるようになろうと目標を作りました。これで、わたしには十分でした。

 5月4日は、対打です。神戸で八極拳を学んでらっしゃる女性と一緒にしました。開門拳社の方法とは微妙に違っていましたが、技の出し方はとてもすばやくて驚きました。ぼーっとしてると 打たれる!あぶない!とあせりました。女性で、あれほど切れのある技は初めてでした。
 八極拳が好きで熱心に練習していることが、うかがい知れました。違う所で学んでいる方と一緒に練習できて、勉強になりましたし励みになり良い経験ができたと思います。八極拳を続けていればまた会えますね。

 5月5日は、神戸の方が帰ってしまいましたので本部の女性にいろいろ教えていただきました。全然自分はできてないのですが、対打や六肘頭を好きなだけ休憩時間にできて楽しかったです。カルチャーですと時間が限られているので、講習会の休憩時間は満喫できました。仲間にいろいろ聞きながらやるのも良いですね。

 と、いった感じであっという間に終わってしまった講習会でしたが中身の濃いものでした。呉先生が手をだす軌跡など、とても丁寧に教えてくださり途中の動きも大切なんだ!とわかり、得る事が多い講習会でした。 素晴らしい講習会を開いてくだっさった服部先生ありがとうございました。そして指導員の方々ありがとうございました。また、新鮮な刺激を下さった神戸の方々ありがとうございました。
 八極拳は知れば知るほど、奥が深くて魅力が増す武術ですね。これからも、頑張ります!
 よろしくご指導お願いいたします。

橋本 嘉奈子(荻窪教室)



▲六合大槍実戦用法・劈杆子

 はじめに

 2002年のGW講習会の時、呉老師に初めてお会いしてその人柄に触れてから、あっという間に2年が過ぎ、またGW講習会でお会いできると聞いた時、今回の講習会テーマは「単打、対打」であるが、「中国語で呉老師ともっと多くコミュニケーションする」が自分の中でのテーマになった。
前回の時は最初と最後に丸暗記の挨拶しかできず、もどかしい思いをしたので、現在勉強中の中国語でどのくらい通じるか分からないが、講習会中は毎日バックに日中辞典を入れて電車の中で単語を引いて、参加していました。
以下はたどたどしい中国語会話を中心にした6日間に渡るあまりにも私的な講習会レポートです。

第一課(4/29)好!

 朝、会場である体育館に着くと入口のところで呉老師がタバコをすっていらしたので、早速ご挨拶しに行く。
 「好!我姓浅井。」とここまで言うと「知道,知道。」と応えられ、タバコを差し出される。2年前にお会いしただけなのに覚えていただけていたのが嬉しくて、嬉しくて有頂天。タバコをいただきながらも、なんとか「再能見面,非常高。」
 テーマは日頃練習が出来ない「槍」で、六合花槍の套路が中心で、自分ができていないところがチェックでき、またVS刀、剣、短棍の用法説明で、なにげない套路の動きがこういう意味だったのかと興味深い。
 講習会が終わって帰ろうとしたら、目の前の呉老師がいて「累了?」と声をかけてくれたので精一杯ピン音に注意して「我很累了」と答えて「再見」する。

第二課(5/1)老師曰、「是学生,是朋友。」

 テーマは今回一番楽しみにしていた「内功五法」で、松田隆智先生達も来られ、またDVD撮影もあり、会話は挨拶の「好!」のみ。内容は期待通りで、呉老師が実演を交えながら、ホワイトボードを使用して八極拳の思想的、数学的、力学的、医学的、技術的背景が次々と説明されると、まるで大学の教室で教授から講義を受けているかのよう。呉老師の八極拳に対する知識の深い一面を垣間見るとともに、今更ながら両儀の重要性に気付かされる。
 呉老師が終わりの挨拶の中で「皆さんは学生ですが、友達でもあります」は心に残る。

第三課(5/2)我的心象是

 テーマはまた「槍」。「六合花槍」では、六大開を考えながらやっていると中々槍が手に付かない状態。また「六合大槍」や「劈杆子」は非常に疲れる。休憩時間に前日の両儀について「我有一个問題。昨天…」。語彙が少なくちゃんと質問できているか自信がなく、呉老師も一生懸命答えてくれるが自分の理解に自信がない。50%位か。そこに服部先生が来てくれたので助けてもらい、自分の理解が確認できる。服部先生に謝謝。
 帰りに呉老師が「累了?」お風呂に入れば疲れがとれるよって言ってくれたので、「回家了,就是洗了澡。」と答えて「再見」する。

第四課(5/3)今天有点儿冷了

 先ずは朝の挨拶で、くずれた天気の話。呉老師は大丈夫とのこと。
 テーマは老老小架、老小架1〜3路、単打。本邦初公開の老老小架では、目の当たりに凄い発力。休憩時に同学に質問を頼まれ「老小架起式的候,左足先是右足先?」で「左」、なお男女の違いには自分で答えて呉老師に「男的左足、女的右足,?」で「」。自分自身は老老小架で掌転の後が横拳か確認をする。
 メインテーマの初日だったので、全国レベルでいろいろな懐かしい顔に出会えて嬉しい。特に休憩中、服部先生とある先生の友だちとの会話は、かけあい漫才みたいでとても面白い。一聴の価値あり。
 終りのほうで単打。推山の後、猛虎翻身まで動作が3種類あり初めてでうまくできない。

第五課(5/4)我非常感

 メインテーマの続き。午後はDVD撮影。
 呉老師が単打を表演。迫力満点で“凄い”の一言。特にバスケットコートのサークル内での単打は“物凄い”。こりゃ打たれたら本当に死ぬなと思う。
 また呉老師と服部先生の対打も鬼気迫る。こんなにも激しいものなのか。呉老師、服部先生のお二人の武術家としての怖い一面を垣間見る。
 休憩時にまた質問。老老小架で「通背式,翻身以后,掌打的候,架式是弓歩?」と聞くと「!」。昼休みに「里打打的候,我非常感!因力很大,累了?」に「一点儿。」と答えられた後、「私は58才です」と初めて日本語で話される。びっくりして思わず「我是五十三」と言ってしまう。

第六課(5/5)累不累?

 最終日のテーマは、ホワイトボードを交えてAMは中国、PMは六肘頭、行劈拳。
 講習会中は休憩時にいつもタバコをご馳走になっていたが、いつもの赤いパッケージではない今日は青いパッケージ。雲南のタバコとのこと。「在北京回云南的烟?」に買える、雲南のタバコは好きとのこと。
 全日程が終了して体育館の出口へ向かっていく途中、後ろから「累不累?」と声がかかる。この会場で一体誰が中国語で話しかけてくるのかと振り返ると、そこにはニコニコしている呉老師が。思わずニコニコにつりこまれ「我很累了。」と答えつつ、中国語に全然違和感がなかった自分に驚く。ずっと中国語のことを考えていたからか。
 最後に「了很多,謝謝」で「再見」する。

最後に

 2年前と変わらずやはり呉老師はすごく良い人だった。
まるで白人とネイティブアメリカンが初めて遭遇した時みたいな自分の中国語にもちゃんと聞いてちゃんと答えようとしてくれるやさしさ、誠実さをいつも感じ、講習会が終わったばかりなのにまたスグに会いたくなる人でした。
またコミュニケーションについての自己採点は50点で、次回はもっともっと会話できるようになりたいので、八極拳とともに中国語も勉強を続けていこうと思いました。
このような素晴らしく、楽しい講習会を開催していただいた服部先生に非常多謝。来年も楽しみにしております。

浅井正一(大森、横浜教室)

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