2003.5 GW講習会レポート

 2003.5.3〜5、ゴールデンウィークを利用して、開門拳社会員を対象に講習会を行いました。
テーマは「ステップアップ」です。



呉氏開門八極拳 講習会レポート

 5月連休の講習会に参加するのは、昨年の呉連枝老師来日の講習会に続き2回目である。
昨年は初の套路である四郎寛を教わったが、動作の順番も満足に憶えられずに終わってしまった。呉連枝老師の生の動きを見ることができ大変勉強になったが、身に付いたモノがあるかと言うと果たして・・・。
今回は昨年の反省を活かして「少しでも何かを身に付けられるように!」と心に誓って参加することに決めたのであった。

私は単打・対打の指導が行われる上級班を選んだ。本来なら「初級」か「中級」を選ぶのが妥当だが、「単打を一人で通してできる人」は「上級」ということなので、身の程知らずとは思ったが上級班で申し込むことにした。
今回のテーマは「ステップアップ」。
昨年のように動作の順番ばかりを追うのではなく、現在のレベルよりほんの少しでも理解を深めて先に行けるように、文字通りステップアップを目指したいところだ。
単打については教室でも長く練習している套路ということもあり、動作の順番については完璧とは言わないまでもほぼ憶えている。しかし、動作の意味となるとはっきり言って理解ができていないところが多い。今回の講習会を終えた時の理解度が自分の努力に比例するかと思うと、講習会を受ける前から緊張してくる。

あっと言う間に3日間の講習会は終わり、単打の理解度はかなり増したような気がする。しかし、誤解をしていた動作、新たに理解ができた動作がたくさんあり、自分は今まで何をしていたのだろうか?とガックリしてしまった。

さて、今回の講習会を受けてみて、得たモノ(身に付いたわけではない)は次の2点だ。

(1)意念をしっかりと持ち、相手を想定して打ち・受けること
「意念」という言葉は数え切れないほど、先生や指導員の口から発せられていた。
要するに「相手を想定して動け」ということなのだが、やってみると意外に難しく目線は定まらないし動作がぎこちない。今までも相手を打っていたつもりだったが、全くできていなかったことがわかった。これは大きな収穫であったと言える。

(2)股関節を動かすこと
これも先生や指導員が口を酸っぱくするほど言っていたことだが、「股関節の動き」の重要性について再認識をすることができた。
先生や指導員の模範動作を見ていると股関節がイヤラシイくらいに動いていることがわかる。これが発力の原動力となっていることは想像に難くないが、自分の股関節がああいう動きをすることは全く想像ができない。
よく「股関節をゆるめる」と言われるが、そうしようとすると全身脱力してしまい話にならない。股関節をゆるめて動かせるようになるには長い年月がかかりそうだ。

この講習会のテーマである「ステップアップ」については、「意識して動けるよう努力ができる」ようになったことで達成できた。とても小さなステップアップではあるが、ある意味とても大きな一歩ではないかと思う。今後の練習にしっかりと活かしていきたい。

荻窪教室 田中良一




講習会を終えて

 今回わたしは、ちょっと背伸びをして上級コースに臨みました。はじめは、対打を学びたかったので、対打が終わったら中級コースに移ろうと思っていました。が、辞めました。なぜ、辞めたか・・・。
 それは、一日目から、すごく楽しかったからです。今まで、何度か講習会には出ましたが、いつも辛いだけで、自己嫌悪に陥るだけでした。
 ですが、今回は違いました。「ほんとに、すっごく楽しかった。」という感じです。
 一日目は、単打を学びました。自分では、一応一人でできると思っていましたが、とんでもありませんでした。
 「これが上級なんだ!」と実感しました。
 意識。 これほど重要なものを私は持っていませんでした。
 意識をもって、相手を打つ。そして、視線・・・。中心軸。
 全てが、教室で先生がおっしゃっていたことでした。聞いていたつもりでも、頭からすりぬけていたようです。
わたしは、かなり物覚えが悪いうえに、目で見た動作を真似ることもできないので、今回のように一度習ったものを、じっくり練ることで、自分の注意しなければならない点を、自分で気づくことができました。
 上級コースは、皆さん先輩方で、技術の隔たりを感じましたが、「なんとか、追いつきたい」という気持ちをもって頑張ることができましたし、皆さん親切に教えてくださり、少しずつですが、曖昧な所を克服でき、上級コースにして、良かったと思います。
 対打は、相手と合わせることも学びました。
 そして、今回は自分の苦手である小纏を重点的に教えて頂きました。どうしても、できなくて「どうしよう・・・」状態に陥りましたが、「考えても、できないんだったら聞いちゃえ!」と決心して、質問しました。手首だけ動かす動作を、わたしは、肘から動かしていたうえに、体の中心からもずれていたようです。難しいです。何人かの方に小纏をかけさせてもらいました。はじめは、全然できませんでしたが、何回か続けているうちに、少しできるようになりました。
完全にできないのが、悲しいです・・・。ですが、皆さんから注意して頂いた所は、すぐできなくても絶対忘れないで、いつか自分のものとして、自然に体が覚える位にできるようにしたいと思います。
 熱心にしかもわかりやすく教えてくださり、先生そして先輩の方々ありがとうございました。
 とくに、技術的に未熟なわたしの上級コースへの参加を、快く許してくださった先生には感謝しております。講習会中、にこやかな先生の笑顔にとても救われました。今回の講習会によって八極拳がいかに奥深い武術かを、今更ながら知りました。ゆっくりでも、八極拳をもっと理解できるように頑張りたいと思います。


荻窪教室 中島嘉奈子


●大勢の会員が参加しました。--まずは基礎となる両儀から。


5月講習会初参加について


 横浜の文化センターで習い始めて早いものでもう3、4か月で2年になります。陳式太極拳と平行して習っていたもので最初は正直1年程、勉強という意味で体験?するというつもりでいたのですが、今ではこの八極拳の魅力に魅せられ少しでもうまくなりたくてこの武術1本にすることにしました。
 そういったわけで今回、開門拳社の講習会は初めて参加させて頂きました。
 ゴールデンウィーク3日間、かみさんとおチビさんには、(お父さんは大事な勉強がある)ということで東京の実家にお帰り頂き、この機会にせかっくなんで集中して習ってこようと思いました。
 いつも教室で服部先生のご指導は目の前で手本を実践で見せてくれるので解りやすくお話も論理的でとても面白いです。
 今回はさらにそれに加え普段お会いできない指導員の方々の御指導や演武に触れ、自分の課題克服のためのヒントをもらえ、黙念師容(確か拳児でこんな感じ・・・)将来の目標の為に目に焼き付けるいい機会を持てました。早く自分も目標に少しでも近づける様に毎日少しづつでも時間を見つけて習ってきたことを練習したいと思います。
 ご指導してくださった服部先生、指導員の方々ありがとうございました。


     横浜教室 草野大輔


●対練も重要な練習のひとつです。


ゴールデンウィーク集中講習会・参加レポート

去年の7月に入門した私にとって、ゴールデンウィークの集中講習会は初参加でした。
これだけ長時間の練習を三日連続という経験も初めてでしたが、合宿の予行演習と思って頑張る事にしました。
今回の私の目標は「未経験の単打を、何とか順序までは覚える」というものです。
結果としては、講習会のテーマである「ステップアップ」という面からも、とても充実した三日間を過ごす事ができたと思います。

実は今回、集中講習会の告知がホームページに出てすぐ、初級コースに申し込みました。
ですが「せっかく小架一路と六肘頭まで勉強したのですから、単打に挑戦してはどうですか」とのお返事を頂きました。
単打は全くの未経験なので不安でしたが、よく考えてみると、長期間かけても、短期集中で勉強しても、最初のうちは順序くらいしか覚えられない事に変わりありません。
内容を練るとなると、これは当然、その後どれだけ時間がかかるか見当もつかないです。
それならば少しでも早く、通しで練習できるようになりたいと思い、思い切って中級コースに編入をお願いしました。

講習会当日、会場に足を運ぶと、各教室からの参加者の皆さんが一同に集まっています。
初日は、全員で基本功から始まりましたが、これだけ多人数の稽古も初めてで、なんだか嬉しくなってしまいました。
午後からは班を分け、単打の練習が始まりました。
始まったのですが、いきなり最初のところから、周りの皆さんの動きに全くついて行けず、正直「これはとんでもない所へ来てしまった」とあせったのを覚えています。
でも小架一路を初めて教わった頃だって、やはり全くついて行けなかったのだからと気を取り直し(開き直り?)、その分なるべく、服部先生や指導員の皆さん、諸先輩方の動きに注目しようと思いました。

初めての単打の感想はといえば「長い!難しい!」に尽きます。
なかでも興味深かったのは「托槍式が沢山ある!」事と「打開も沢山ある!」事と「縦の小纏痛ーい!」事でした。(汗)
また、知らない動作も多々ありましたが、土曜教室で六大開拳を一部習っていた事が、とても大きな助けになりました。
開門八式や小架一路、六大開拳から似ている動作は借りてきて、残りを新たに覚えるという形がとれたからです。
ですが、似ている動作を借りてきて、初めて気付く事もありました。

単打の中には、他と似ている動作でも、先生が仰る動作の要求は一切変わらないのに、歩形が違っていたり、高さが違っていたり、重心が違っていたりと、数多くのバリエーションがあった様に思います。
托槍式は確かに多かったのですが、微妙に変化していて覚えるのが大変でしたし、四六歩の翻胯というのも初めて見ました。
また打開にも、斜め下と水平とがあって、斜め下に打つ時に同じ要求を満たすには、どのようにすれば良いのかを教えてくれている様に感じました。
そのとき、八極拳は基本的な要求は変わらずに、その組み合わせ方でどんどん姿が変わる、というお話を思い出しました。
今まで続けている基礎練習は、その中の一つを切り取って反復していたのだと気付いて、当たり前の様ですが、改めて八極拳てホントに凄い、そしてやっぱり、恐ろしく先が永いと感じました。

また、個人的にビッグイベントだったのが「飛躍」の販売です。
土曜教室でも履いていらっしゃる方が多く、先生もお薦めの練功靴、実は去年から欲しくてたまらなかったのです。
仕事から帰ると早速履き替えて、家中ニヤニヤしながら歩き回る私の姿は、家族に言わせるとやはり無気味らしいのですが、いいんです、気にしませんから。(←しなさいよ)
講習会に合わせて、はるばるお越しいただいた第一クリエイティブの皆様、本当に有り難うございました。

講習会も三日目を迎え、最後に全員で小架一路をする事になりました。
が、あれ? お恥ずかしいのですが、今度は何と小架一路が、一部怪しくなっていました。
つくづく融通の利かない自分のオツムにあきれつつ、三日間の単打三昧は無事修了いたしました。
他にも書き切れない楽しい事が一杯あり、とても充実した三日間でした。
この様な講習会に参加させていただいて、心から感謝しています。
服部先生、指導員の先生方、諸先輩の皆さん、そして同門の皆様、本当に有り難うございました。
今後も機会のある度、ぜひ参加させてください。

土曜本部教室 高須俊郎


●体育館に、気迫のこもった声が響きます。


 私はただのオバハンであった、つい半年前までは。
 もうそうではない。八極拳を始めたからである。
 読売カルチャーでポスターが眼に入り、教室を見学しに行く。マッチョな指導員と生徒たちが体をぶつけ合う練習光景には一瞬ビビった。が二ヶ月後に入会した。
 二週間に一度の教室では、次の時には頭がほぼ白紙である。しかし通い続けたのは、癒し系でもある指導員の忍耐強さのおかげであり、とうとう、よし、連休は八極拳三昧だ、とハマってしまった。

 天気に恵まれた一日目、広い体育館であいさつと共に始まる。ズラッと頑丈そうな男が多い。しかし驚くなかれ、品がある。女性はフアフアギャルとはちがう。リンと立ち、内外統合、心身ともに健康で美しい。
 午前中は全体練習で辛い基本功、午後は三つの班に分かれ、初級は小架一路を学ぶ。動作を句切ながら丁寧に教えてくれる。ただ形を作るのではなく、意味があるのだとバシバシ実践で見せてくれる。これはちょっと怖い、が圧倒されてゴクリと納得する。

 二日目、昨日たまった酸化物質のせいで、じーっとこらえる基本功は前日よりもっとつらくなる。太腿が悲鳴をあげた。しかし二人組みの練習では相手に恵まれ、おかげさまで背中のぶつけ合いのとき出る迫力のある、ウッ、という声だけはでるようになった。
 昼食後はウーシュウーグッズを買う。皆、ゴムの臭いの強い黒い靴にたかった。
 午後は小架の後半を最後まで消化し、パニクった。教室で二回ほど幽霊のように皆の動作を後追いしたことはある。進むにつれて脳はシヨートし、体もヨロヨロになったが全行程終えると感動した。たいしたもんだ。感謝の気持がドッと沸く。
 帰りは、老化を招くから、と普段使わない地下鉄のエスカレーターにさんざん乗って家にたどり着いた。

 三日目、内股が痛い!と言いながら出かける。新しい指導員に小架を最後まで自分たちでやってみてください、と言われて開始。一晩寝たら点と点を結ぶ線がずいぶん消えていて途中から目がさまよいだす。眼法ではない。カンニングだ。速度がいよいよバラバラになると、はてな、分からなくなる。右前の人も忘却、あるいは思考中で固まっている。まずい、と後ろを振り向くとこっちは早い!何とか一つ動作を拾ったら、ザザッ、シャシャ、とお見本のグループは終わっていた。
 サラブレッドのホーステール如き美しい髪をした指導員はコメントに、ロボットのようだがこれから蓄、発、緩みで味つけなければならない、今の時点で!、と激励される。カンキュウたるものだそうだ。

 皆、気合満々、よく頑張った。午後は対練、上半身だけの動きになり、手や腕が団子になって足がヨタッた。
 そしてフィナーレは八極拳の極意である六つの力の出し方の理論的枠組みの講義である。課題であるステップアップにはこの事を念頭に学習せねばならぬとおっしゃった。最後に内功法を行い締めくくられた。気功のようで、女の人は右の労宮から..........とやるとボーッとしてきて、立禅ではなく立ち居眠りとなり、膝が二度ほどガクンと折れた。しかし終わった後の壮快感は効果抜群、階段をホップステップしながら帰ったのだ。

追伸  本当に充実した講習会ありがとうございました。

北千住教室 渡辺岐容子


2003GW講習会

活動の記録TOP
開門拳社TOP