2006.5 呉連枝老師講習会レポート-3


▲最重要功法である馬歩両儀功について、詳説される老師


▲参加者の質問に対して、熱心に答えられる老師


▲参加者の息子さんと手のひらをくらべて。(大きい!)


▲実戦用法を、理論を交えて解説されます

 (あそこに座ってらっしゃるのはもしかして呉先生? じゃあ、こちらに背を向けてらっしゃるのが服部先生かしら?)
 初めての講習会参加で緊張しているところに、一番にお会いするのが呉先生と服部先生…。
 私の緊張のボルテージはいきなりMAXに。
 勇気を振り絞ってご挨拶をすると、服部先生だと思っていた方は上田指導員でした。
(座っているとはいえ、後姿を見間違えるなんて…、そこまで緊張してるのかしら?)
緊張が解けたような解けないようなまま、体育館へ入るとそこは男、男、男。 男性ばかり…。
(そうだよねぇ…、男性が多いに決まってるよね。女性はいないのかな?)
 女性の参加者をお見かけすると、何だかそれだけで嬉しくなってしまいます。

 何はともあれ、講習会が始まりました。
 中国語は分かりませんが服部先生がいらっしゃるので安心していました。が、ものの数分で考えが甘かったことに気付きます。
 せっかく服部先生が通訳をしてくださっているのに、正直よく分かりません。
いえ、聞いた瞬間は理解できる(?)のですが、たくさんの言葉が頭の中に入っていき消えていくのです。
(うわぁ…、どうしよ…。 聞いた瞬間に忘れていくような感じだぁ…。 どうしよ…。 なんだか服部先生の日本語まで聞いたことのない言葉みたいに聞こえる…。)
(……っ! こんな事を考えていたらよけいに分からなくちゃうよ。とりあえず、ちゃんと聞いてなきゃ!)
 午前中は焦りながらそんな事ばかり考えていましたが、「午後からは小架四路をやる」と聞いたときには絶望的な気持ちになりました。二路でアップアップなのに四路…?
(でも、ま、教室でもよく言われるけど、1つでいいから何かを覚えて帰ろう。無駄になることはないもんね。それに1日で全部覚えきれる訳ないもの。)

 それからの講習は楽しくって、楽しくって!
「小架は十二路まであるが呉先生は七路から先はあまり重要とはお考えでない」と聞いたときには、八極拳を習うのが今で良かった…と、安堵しましたが。
 見ながらでもついて行けなかった四路も休憩時間に教えて頂いたお陰で、見ながらなら何とか大雑把に出来るようになったりと、自分なりの進歩も嬉しくて仕方がありません。
 用法の説明では、服部先生が少し痛そうな顔をされると呉先生がいたずらっ子のように目を踊らせているのに気付く余裕もできました。
「通訳をされながら用法の説明だなんて、舌を噛みそうになったりしてとても危ないんじゃない…?」
 一緒にいた先輩に言われて気付きました。
「言葉を訳すのに頭を使いながら技をかけられ、その上、喋っているのだから口を閉じることもできないよね、先生だから出来るんだね」
 と、二人で感心しましたが、やはりその後はハラハラしました。

 教室では体験することの出来ない、とても濃い二日間でした。

 呉先生、服部先生、本当にお疲れ様でした。
 そして、ありがとうございました。

 

本部教室 菅沼 幸恵



▲今回、呉老師・松田先生立ち会いのもと、服部代表に拝師し、
呉氏八極門正式門人となった本部指導員五名。

 5月連休の3日間。今年は呉連氏老師の講習会に参加することにした。
内心は3日間体力が持つのかとか、付いていけるのかとかなり不安もあったが
参加してみたら新しいことを覚えるのに夢中になり、楽しい3日間だった。

講義もあって八極拳はとてもおくが深い拳法で、自然の法則に準じたとても
わかりやすい拳法であることを改めて学んだ。まだまだ詳細を把握するまで
には至らないが道理はわかりやすいと思う。

この3日間、とても天気が良く気持ちよいくらい洗濯日和であったが
(初日は、家で洗濯をしてるほうが良かったのではないかと思うほど)
久しぶりに子供の頃の運動会の後の心地よいからだのだるさと、遠足から
帰ったときの充実した気分を思い出した。ストレスなどと言う言葉も
知らず、程よい疲れとその日の楽しさだけが残るような気持ちの良い
3日間であった。参加して良かったと思う。
また、少しずつ時間を重ねて技や理論を学んで行きたいと思う。

謝謝

荻窪教室 市東 公子



▲行劈拳は、すごい早さで動くので、なかなか使える写真が撮れません

 2006年春、今年も例年通り呉連枝老師来日による開門拳社の講習会に参加しました。今年のテーマは「八極拳の第一歩」ということで基本に戻り、八極小架と行劈拳をメインに学びました。

 小架一路は来日するたびに呉連枝老師から教えて頂く套路なのですが、私の視点が毎年変わっているのか、老師の小架に変化が起きているのか分かりませんが、とにかく見るたびに新しい発見があり常に新鮮な気分にさせてくれる套路だと感じました。
呉連枝老師の小架一路を見て強く感じたのは全ての動作が力強いと言うことです。発力する箇所はもちろん、ゆっくりと両儀をする時や十字拳の時も、力強く感じられます。私が同じ動作をしてもすごく軽く動いているように感じ、とても同じように動けるとは思えません。何でこうも違うのでしょうか??功夫の一言で片づけられない何かが感じられます。
それともう一点、呉連枝老師の上体の振幅が私の目を引きました。服部先生から時々、私の套路はまっすぐすぎると言うようなことを言われていたのですが、あまり自覚はありませんでした。でも呉連枝老師の動きを見ていると、なるほど私にあの上体の動きがないことがよく分かりました。今回の小架で一番学習したことは技の変化や角度と言った細かい箇所よりも、套路の力強さや上体の柔らかさが自分に大きく欠けていたということです。
  一方、行劈拳もかなり以前から学習していた套路なのですが、呉連枝老師の細かい説明を拝聴してかなり新しい発見があり驚かされました。行劈拳は腕を振っている動作が大きく、また特徴的なのでそれに目が向いてしまいますが、呉連枝老師はそのことよりも啓歩のことを何度も何度も話されていました。なるほど啓歩という歩法(行)と劈拳があって初めて行劈拳なんだと納得しました。
また、行劈拳の五〜十二路のお話になると今度は逆に何度も何度も劈のことをおっしゃってました。動作自体は10年近く練習していたものばかりなのにもかかわらず、行劈拳との関連性など全く考えたことはなかったのでこのお話はかなり興味深くて、基本の動作を初めて教わったときのような気持ちになりました。

 小架や行劈拳をたっぷり学び、少し消化して出来てきた3日目の昼にミニ表演会が行われました。松田先生や大阪の石田さん達が演じる中、私も恥ずかしながら参加したのですが、毎年参加している全日本大会よりも緊張してしまった上、日頃の練習不足を露呈してしまいなんとも寂しい気持ちになりました。表演会は休憩時間の余興のはずなのでもっと楽しくできたらよかったのですが…。しかしまた、練習を頑張らねばという気持ちもいつも以上に生まれたので、これはこれでよかったと思います。

 徒手の講習会の次の日に行われた内功の講習会はとてもリラックスした気持ちで参加できました。例年では全ての錬功法を満遍なくやっていましたが、今年は「眼精疲労」というテーマに絞って顔や上肢の按摩を教わりました。仕事上目が疲れることが多い自分にとって、この時間はとても有意義で楽しく時間を過ごすことが出来ました。

 今回は槍の講習から始まり、大森教室の歓送迎会までどっぷりと八極にはまった一週間となりました。講習会が終わってまたいつもの生活が始まると、あの時間は非日常的な夢の世界に居たのかもと思えることもあります。夢から覚めると、夢で見ていたものは忘れてしまうものですが、呉連枝老師や一緒に練習した皆さんと共有した時間は、いつまでも忘れずにいたいものです。そして何より、教わったこと、学んだことを忘れずにまた明日からの稽古に励んでいかなければと強く思いました。

本部指導員 山崎義之

 


そしてお楽しみへ続く…
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