2007.4.28〜5.5 呉連枝老師講習会(3)



▲徒手の講習会は、小架一路から始まりました


▲今回のメインテーマの一つである「単打」


▲松田先生よりご質問のあった、呉氏開門八極拳の弓歩について
解説される呉老師


▲理論についても説明

 
 今回は3日から5日の3日間の「単打、対打の奥妙」に参加させていただきました。

 最初は単打や対打の套路を順次進めていって最後に「奥妙はこれだ!」という展開を予想していたのですが、予想は見事に裏切られ、しょっぱなの起式「報門戸」から「奥妙」が炸裂して最後まで炸裂しっぱなしという感じでした。
 このように講習会は、套路を区切ってそれに実際の用法を加えて説明されて、1つ1つの動作の意味を、アカデミックに、ある時は易経を絡め、ある時は古訓を訪ね、ある時はニュートン力学の運動量を引き合いに出し、またある時はご自分の理論で等、いろいろな切り口で深く掘り下げて明らかにし、何とか皆に理解して欲しいという呉老師の熱意一杯な感じがひしひしと伝わってくるものでした。

 「なぜ閉肘は斜め後ろへ」等の用法も「奥妙」なのですが、その他板書された「奥妙」を思いつくまま上げていくと「啓歩」、「対練の奥妙は単打、対打の奥妙でもある」、「実用では上中下盤の全てが一緒に動く」、「啓動」、「武徳、法道と人道」(感動ものでこれが一番の奥妙かも)、「沈力」、「六十四=∞」など盛り沢山で、その都度「なるほど!」と目からうろこの連続で、本当に言われてみないと気付かないものばかりでした。

 今回のこの「奥妙」というテーマは非常に興味深い講習会を生み、その密度の濃い内容に圧倒されつづけたせいで、そして自分がまた年取ったこともあり、非常に疲れてしまい毎日帰宅し食事しすぐ寝てしまう3日間となりました。
 昼食の時に呉老師に確認したところ、やはり内容は年々深くなっていると仰っておられました。
 また休憩時間には、いつもながら松田先生の面白い話が炸裂しまくって今は楽しく思い出されます。

 最後に、この講習会を開催された服部先生と、協力しあって今回の講習会をサポートされていた指導員の方々に感謝するとともに、また来年も楽しみにしております。



大森教室 浅井正一



▲休憩時間も楽しくお話(服部代表のくわえているのは禁煙パイポです)


▲用法について解説される


▲対練における疑問について、丁寧に解説される


▲抽別子の変化


▲頂肘の用法についての解説


▲相手の重心の巧みな崩し方


▲参加者の動作をチェックされる呉老師。
今回教えていただいた単打は、中級者用の少し難度の高いものでした。


▲皆笑っていますが、非常に危険な用法です


▲八極拳独特の腿法についての解説

 
 今年の講習会には、「行者棒」と「単打・対打の奥妙」に参加しました。

 行者棒講習会

 行者棒は、開門拳社に入って以前一度だけ祝日を使っての講習会でやったのですが当時の自分には全く覚える事が出来ませんでした。なので、今回かなりの不安を持ちつつの参加でした。本部土曜教室で幾つかの基本功を前もって練習していたおかげで、思っていたよりも混乱する事無く着いて行けたと思います。ただ、套路の順番が覚えられた訳ではなかったですが…。
  行者棒の套路は歩法が修練出来る為、必須套路だと呉連枝老師は仰いました。確かに練習の後は、内腿が軽い筋肉痛になりました。呉連枝老師の行者棒解説も今回は「啓歩を使うように」、「棒を長く使うように」などの技術的な事だけでなく、「行者棒の行者とは」、「なぜ行者棒と言うのか」から始まり、「西遊記」の孫悟空の話になったのはとても面白かったです。
  行者棒講習会には、松田隆智先生、渡邉先生や関西の方々も参加されて、みなさんと一緒に練習出来てうれしかったです。

 単打・対打の奥妙

 単打と対打、特に単打は小架の次に練習をしている為、気になる所や出来ていない所などが幾つも有るので緊張しました。今年練習した単打は、見た目では少しだけ動作が違うので何とかなると思っていました。が、当たり前の如くそんなわけがなかったです…。
  なんとか套路の順番は着いて行けるのですが、ただ機械的に体が動いているだけでどの動作も相手に技が掛かる気がしませんでした。呉連枝老師の用法解説もすばらしく、皆に解る様に動作を大きくしてくれただけでなく「この時はこっちの足から動かす」「この時のこっちの手はこう動かす」など細かくハッキリと言って下さった為、幾つか質問を用意していたのですが質問する事無く解決してしまいました。
  練習中、呉連枝老師が震脚をしない単打と小さい円の中で単打を見せて下さいました。以前にも見ましたが、やっぱりすごいとしか言えませんでした。

 震脚と言えば、一度だけ服部先生が冗談だったのか「床をドシンとさせたら一回につき100円」と言って呉連枝老師公認の元、単打をやったのですが自分も含めて皆の緊張した雰囲気と何よりその場の空気が明らかに変わったのが面白かったです。
  呉連枝老師の話の中で個人的に一番印象に残ったのは、武徳の話。呉連枝老師に思うことがあった様で、「人の作った法に外れる事はあっても、人の道に外れては絶対にダメ!」「いくら武術の功夫があっても武徳のない人もダメ!」「中国には弟子に武術を教える前に、武徳を教えると言う言葉がある」と熱く語って下さり感動してしまいました。
  どうにかこうにか講習会が終わり、打ち上げに参加したのでした。

 講習会全体を通して思ったこと

 「内功五法」にも参加したかった…。内功五法に参加された方から聞いたら、「両儀についてじっくり習った」と言っていました。両儀が下手な自分には今回一番参加しなければいけなかったと思いました。
  それと、今年の講習会では、松田隆智先生の話がたくさん聞けました。休憩中には武術の話、昼休みには武術の話だけでなく松田隆智先生ご自身の考えやドキドキする面白い話を聞かせて下さいました。改めて物凄い人だと実感しました。あと、休憩中に話が出来ない自分に呉連枝老師は目が合うとニコッと笑顔を返して下さいました。毎年この呉連枝老師の笑顔にヤラレます…。自分がもし女性だったら間違いなく抱きついてると思います。呉連枝老師の不思議な力の一つなのでしょう。本当に今年の講習会は充実した物になりました。

 これも講習会を開いて下さり、通訳をして下さった服部先生、講習会の為に来日して下さった呉連枝老師、気さくに接して下さった松田隆智先生、講習会の段取りやビデオ撮影や用法説明に協力して下さった指導員の方々、会場のセッティング、後片付けに協力して下さった方々、講習会に参加された皆さんに、有り難う御座いました!!!
 


本部土曜教室&荻窪教室 奥村 知昭


▲呉老師による単打の表演。すごい迫力でした


▲服部代表を相手に、対打を示範される呉老師


▲武術雑誌の女性記者にポーズをつけられる呉老師


▲女性記者の身法も見事です


▲▼八極対打の段階的変化についての解説

 


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