10.09.18〜20 秋合宿(野辺山日記) 練功編

2010年9月18日(土)〜20日(月祝)にかけて、山梨県野辺山高原にて開門拳社の「秋合宿」が行われました。

今回練習した種目は、八極拳の武器の一つである「提柳刀」です。


10秋合宿


JR小淵沢駅で、高原列車「小海線」に乗り換えます。 小海線はJR最高地点を通ります。
野辺山高原。 合宿所外観

向かいはキャベツ畑 八ヶ岳が見えます
シンプルでこぎれいな合宿部屋 提柳刀の学習を開始します。

まずは刃の正しい角度を保って回す練習など、基本から。
ひとりひとり、丁寧に指導を受けます。  
夕食後の座学の時間。一日の練習内容を振り返ります。

 

2010年9月18日(土)〜20日(月祝)、山梨県野辺山高原にて開門拳社の「秋合宿」が行われました。
今回練習する種目は、八極拳の武器の一つである「提柳刀」です。

電車組は新宿から特急あずさに乗り、小淵沢にて小海線に乗り換えます。
小海線は、「JRで一番高い地点を走る電車」として有名です。別名、高原列車、山岳展望列車とも呼ばれています。
平屋の目立つ住宅地から、雑木林を経て山の中に入ります。車窓風景は緑の木々と、その間から見える渓谷、滝、八ヶ岳や南アルプスの山々などですばらしいです。野辺山宇宙電波観測所の巨大なパラボラアンテナも見ることが出来ます。
別荘地として有名な清里と、今回の目的地である 野辺山駅の間には、標高1375mのJR鉄道最高地点を示す標識が立っています。

合宿所の「帝産ロッヂ」は野辺山駅から車ですぐ。近くにコンビニもあります。
ロッヂの正面には、道路をへだててキャベツ畑があり、その向こうに、八ヶ岳の山々が見えます。
気温は東京より昼間は約5度、夜は約10度近く低めです。湿気も少なく風がさわやかで、練習には最適の気候です。

一昨年は8月中旬の猛暑の東京から移動したため、小淵沢・野辺山と目的地に近づくごとにどんどん涼しくさわやかになっていく気候に驚きました。
今年は一ヶ月遅れの9月中旬の実施でしたが、東京では猛暑が続いていたため、またも高原のさわやかさを実感しました。

練習場所には、構内施設の剣道場をお借りしました。道場に沿った細い廊下には宿泊部屋が面しているという、まさに職住接近ならぬ練住接近の環境です。
到着日は、午後2時から練習を開始しました。
準備運動を済ませ、さっそく刀を手に取ります。

1日目の練習は、提柳刀の基本動作から始めました。

「小提柳」
体の両側で、刀を耳から膝ぐらいの高さで後ろから前に回転させるようにして下から上に斬り上げます。

服部先生と須原指導員を先頭に、小提柳を繰り返しながら剣道場を往復します。
斬り上げる動作と歩みのタイミングを合わせるのがなかなか難しいです。
初心者は、正面から見て、刀の軌跡が横に広がった8の字になりがちです。
何度もこれを注意され、先生や指導員の模範動作を見て直そうとするのですが、柄を掴みすぎているからか手首の稼働範囲がせばまり、縦に縦に回そうと思うと肘が開いてしまい、脇をしめようとすると肩が固まって上がる、刀を足にぶつけるなど、悪循環に陥ってしまいました。
または、刀が刃の部分を立てず、平べったい状態で回ってしまい、標的に対して「刀の腹でひっぱたく」状態になっているのに気づかないことも多く、列の前に立って全体をチェックしている服部先生からよくそのことを指摘されました。

手首を柔らかく回転させ、柄を握りこまずに手の中で軽く支え、自由に動くように持つことがコツとのことでした。最初は刃の部分が足にぶつかってしまうことも多いのですが、耳のわき、体にできるだけ近いところで回すように心がけることが大切です。

「大提柳」
次は、名前のとおり、大きい提柳です。
小提柳は刀を体の左右で回転させますが、大提柳は、体のまわりをなぞるように刀を回すといった感じです。
小提柳に比べて歩幅も大きくとります。体を大きく使います。

どちらも、服部先生や須原指導員の動きを見るととてもきれいにタイミング良く整っており、自分も同じ動作ができるかのように錯覚してしまうのですが、いざやってみると腕と脚(歩み)が合わず、刀の軌跡も乱れてしまいまとまりません。
今回の参加者のほとんどが武器を練習した経験のある者でしたが、いざ本当に正しい動きをしようとしても、直されるポイントがたくさん出てきます。
以前習った槍・棍の回転動作と同じく、正しい動きと使い方を意識しながら何度も繰り返すことが大切と感じました。

ある程度基本功を繰り返した後、「提柳刀」の套路の学習に入りました。
数動作ずつに分けて、服部先生と須原指導員の模範動作を真似ながら何度も動作を繰り返します。
刀の角度や歩形、体の方向などを動作を止めながら少しずつ覚えていきます。

この日は午後数時間で基本功・套路の1/4ほどを習い、終了となりました。

入浴・夕食後は、部屋に集まって座学を行いました。
套路の各動作の名称をまとめた資料を見ながら、服部先生から、それぞれの動作の読み方、ポイント、注意点などを教えていただきました。それらを資料に書き込みながら、今日習った動きを思い出し、気づいたところがあれば質問し、メモしていきます。
昼間に習った時点では、覚えることで手一杯でしたが、夕食を済ませて落ち着いて振り返ってみると、手形や刃の上下の向きなどの細かいところがあいまいだったこと、気づかなかった間違いやすいポイントなどが浮かんできます。
それら一つ一つを、仲間と意見を出し合いながら、先生に直していただけることはとても勉強になります。他の人の質問によって、自分が気づかなかったところがはっきりするなど、得るものの多い大変有意義な時間でした。

座学の後は、お酒とお菓子ありの交流会です。
映画のDVDを見ながら、「いまの主人公の斬り方は今日習ったあの動作と同じだ!」などと盛り上がったり、服部先生に昔の武術家の興味深いこぼれ話を聞かせていただいたりと、開門拳社の合宿ならではの楽しい時間を過ごしました。

2日目・3日目午前は、套路の続きを学習しました。
3日目は昼食後に解散となりましたが、それまでに提柳刀の套路をひととおり習い終えることができました。まだ、他人の動きを見ながら、途中で止まっては確認しながら…という状態ですが、これから普段の練習にも刀を持参し、さらに深く身につけられるよう、練習していこうと思います。

丁寧に指導してくださった服部先生、須原指導員、ありがとうございました。
参加されたみなさま、お疲れさまでした。



本部教室 ミルミル

 

套路を小分けにして少しずつ憶えていきます。  
最後には、提柳刀の套路が一通りできるようになりました。おつかれさまでした!


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