1999年度夏合宿レポート 3


会員の合宿レポート&記録写真


▲行者棒

 

 


▲行者棒

8月12日(木)
 11時頃、片瀬白田駅に着きました。2時からの練習まで時間があるので、隣駅の伊豆熱川に行き、バナナワニ園を観光。あまりの暑さにワニはピクリとも動かず、まるで剥製のようでした。そうは言っても何種類ものワニを見ることもさわることも普段なかなかないので、いい体験をしたと思います。
 午後2時、練習開始。普段の練習より多めに基本功等をし、小架一路、単打、対打を練習しました。対打は、単打だけやっていた時に気づかなかったことや、どういう風に技がきまるのかがわかるので、とてもためになります。例えば手形が曖昧だったり、体重移動ができていなかったりするところなど、自分の悪いところが相手と組むことで見えてくるし、先生に指摘されたことが改めて理解できます。
私はこの日初めて対打を習ったので、流れを覚えるのが精一杯でしたが、先生から説明をしていただいて「なるほど」と気づかされることが沢山あり、初日から収穫の多い練習でした。
 夕食後、宴会が催されました。楽しかったのですが、怪談だけはやめてほしいと思いました。
 8月13日(金)
 朝、海を背にして内功五行法。あいにく曇ってはいましたが、酸素は多いし清々しい気分になりました。
 午前中は、基本功、小架一路、単打、対打の後、小架二路を習いました。小架二路は女の人の套路ということで、「これは覚えないと」という使命感に駆られたのですが、のちに、熱意とは比例しないものだと悲しくなりました。これから頑張ります。
 午後は、前日先生が2階から棒を見付けてこられて、広いスペースで行者棒を出来る機会はめったにないということで、行者棒を教えていただきました。行者棒は見た目よりはるかに難しく、縦に回せなかったり、自分に沿うように回そうとしても、足にぶつけたりしてしまいます。他の人も苦戦しているようでした。
 夜は海岸でみんなで花火をしました。風情があってとてもよかったです。花火をし終わって宿に戻ると、外はものすごい雷雨になっていました。持ってきた花火が無駄にならなくてひと安心。
 8月14日(土)
 朝からどしゃぶりで、前日花火をしたのが嘘のようでした。
 午前中は金曜日に引き続き行者棒の練習をしました。2日目ともなると、だんだんスムーズに回せる人たちもいました。
 休憩中もみな、基本功、套路を復習したりわからないところを先生や指導員に聞いたりしていました。私も棒を掴まず両手の親指と人差し指の間で回すのが出来なくて、専ら基本功をしていました。
 午後は小架の理論と八大手形について説明があり、先生が小架歌の抽象的な表現を実演も兼ねてわかりやすく説明 して下さり、とてもためになりました。
 8月15日(日)
 合宿最終日の稽古では、行者棒、対打、小架二路を一通り練習した後、十二形抱を教えていただきました。私は八極拳を始めてまだ1年で、単打も一人では危ういのに、短い期間にたくさんのことを習ったので混乱しそうでした。しかし、こんなチャンスはあまりないので、合宿に参加して良かったと思います。
 この日は、11時半に練習を切り上げ、お風呂で汗を流してからみんなでご飯を食べて帰ることになりました。帰る頃にはみんな疲れてぐったりしていましたが、この合宿中、それぞれ何か得るものがあったと思います。内容の濃い、有意義な合宿でした。

(大沢 梢)

 


▲行者棒

  
▲座学の様子

 

今年8月12日から15日の4日間、静岡県賀茂郡東伊豆町の宿泊施設に附属している体育館において、第2回目の開門拳社夏期合宿をとり行いました。
 初日からの参加者は服部哲也先生以下10名でしたが、途中からの参加者があったため最終的には14名の参加となりました。
 合宿のタイムスケジュールは、9時30分から12時までの2時間30分が午前の練習、14時から17時までの3時間が午後の練習に割与えられました。
 12日は午後から開始され、合宿初日でもあることから、身体をほぐすため準備体操、柔軟運動に十分に時間をかけ、その後、長拳基本功、八極拳基本功である站功、定歩拳、脚法八提、開門八式の練習に入りました。特に脚法八提と開門八式は、普段の練習では場所の広さの制約から十分な直線距離がとれませんでしたが、今回の合宿で使われた体育館は、学校にあるような広い体育館であるため、十分に直線距離がとれ、普段の練習に比べ格段にハードな練習となりました。
 今回は、参加者のほとんどが1年以上の経験者であり、単打の学習者でもあることから、対練套路である対打の学習を行うこととなりました。まさに対打を行うことにより、単打一つ一つの技が相手に対してどのようにかかるのか、相手との間合いをどのようにとるのかが学習できる套路であり、学習者は単打のみの套路では限界があることを痛切に感じることが出来た瞬間でした。
 また、呉氏開門八極拳の小架には套路が12路あり、普段の練習では小架一路を学習してますが、今回小架二路も学習することとなりました。(他派の八極拳には、この小架二路(流派によって名称が違う。)のみが伝わっています。
 参加者は、初めは戸惑いながらも小架一路の基礎があり、学習意欲から全員が套路を最後まで学習することが出来きました。
 13日は、もう一人の指導員が参加し、開門拳社内で以前から要望のあった器械(武器)を学ぶこととなりました。今回は日本ではあまり知られていない、また、套路をやれる人間も限られる行者棒。套路については、今年ゴールデンウィークに呉連枝老師が来日され、神戸にて講習会が行われた際学習してきたものです。
 行者棒では、実戦用の長さは別ですが、人間が手を挙げた時の手首までの長さのものを練習に使用します。参加者は、三本の基本功から学習しましたが、日常では棒を振ることがないため、練習の合間の休憩時間でも皆一様に四苦八苦して棒を振っていました。
 何とか基本功もこなせるようになり、いよいよ套路を学習することとなりました。套路は四段に分かれ、48動作が含まれており、時間としては2分少々のものでありますが、参加者にとっては永遠に続くと思われたことでしょう。この套路に中には棒を大きく頭上で振り回す動作があるため、普段の練習を行っている場所や、自主練をやっている場所では無理でしたが、この体育館では思いっきり振り回すことが出来ました。ただし、ただ単に振り回すのではなく、套路全てに言えることですが、用法や身法を考えなければ、動作中の身体のバランスが崩れやすいという事が痛切に感じられました。
 14日は、若干のハプニングがあり、前日からの大雨によりJRが運休したため、今日から参加する参加者二人が到着せず、各自の携帯電話で連絡を取っていた場面が見られました。二人は無事に昼には到着でき、安心しました。
 二人を心配しつつも、我々ではどうにもならないため、引き続き行者棒を学習し、参加者も熱心に練習の合間の休憩時間も復習を繰り返し、解らないところがあれば先生や指導員に矢継ぎ早に質問をしていました。午後は、合宿の後半でもあり、皆一様に疲れており、夜に座学をすれば居眠りをする者が出てくる危険性があるため、急遽夜に行う予定であった座学を行うこととなりました。
 座学の内容は、八極小架変化原理分析、八極拳小架拳譜秘訣及び八大手形の解説が行われました。前者は、八極拳小架の意味、構成、力の方向などを用法を交えての説明、後者は、呉秀峰先師が手形を八種に分けたものであり、モデルになった器具、用法を交えた説明がされました。
 私は、翌日に用事があることから、午後の練習が終了した後、合宿をあとにしましたが、合宿参加者の全員が人柄が良く、学習意欲があり、熱心に練習する風景を見ていると合宿に参加して良かったと思うとともに、呉連枝老師にも呉氏開門八極拳を熱心に学習している生徒達のこの風景を伝えたくなりました。
 最後に、この合宿を企画していただいた服部先生に感謝しつつ、合宿の報告を終わりたいと思います。

(開門拳社 指導員 森豊和)

 


▲楽しい食事(なかなかおいしかったです)

 合宿参加者の皆さん、お疲れさまでした。暑い中、指導する私がびっくりするほどの熱意を感じました。
 今回は、集中して練習できる機会でしたので、少々詰め込みの内容になってしまいましたが、今後の練習でより練度を深めていきたいと思います。
 

 (開門拳社代表 服部哲也)

 

 

 


▲花火大会。フレーム外でもみんな楽しんでいます。

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