お盆休み中の8月14日から17日までの4日間、二度目の夏合宿に参加させて頂きました。
昨年、初めて参加した時には、諸般の事情により初日の辛ぁい練習は行われなかったと聞いています。そして今年の合宿テーマは「八極拳の身体を作る」との事。腰を痛めて以来、今ひとつ練習時間が足りてない私にとっては、体力的に一抹の不安がありました。
ですが四日間過ぎてみると、腰はむしろ好調なくらいで、練習している時の方が、仕事で机にかじりついているより、よほど身体に良いんだという事が実感できました。
初日、一年ぶりの八ヶ岳スポーツセンターに着くと、早速午後の練習が始まりました。
基本功を一通りこなして、ゴールデンウィークの講習会で呉連枝老師に教えて頂いた老架子を、先生の号令に合わせて練習する事になりました。ところが、最初の両儀からずうっと号令が掛かりません。心の中で「まさか」と思いつつ、架式を保つ事に集中していると、ようやく先生の「はい」という声がかかり十字拳に。
何式か進んでくると、さすがに「これはきっと長い!」と解って、なまじ套路の順序までは憶えているので、最後の方は完全に、体力を残りの式数に割り振って、その中で可能な限り低く、正確な架式を取ろうと足掻いていました。あと二式、一式と、終わりに近付くと同時に我慢の限界も近付いて、終わった時先生が「今ので丁度30分くらいです」と仰るのを聞くと「30分て、こんなに長かったんだ」と思いました。
しかし先生が、さも当たり前の様に「はいもう一回」と仰ったときは、「甘かったー」と心の中で叫んでいました。
二回目は、架式を直して頂きながらだったので、なおさら気が抜けません。特にしんどかったのが虚歩のところで、「早く馬歩になりたい」などと、普段は絶対に思わないような事を考えてました。後から考えると、自分で体力の配分が出来るうちは、最後まで頑張ったとは言えない、後先考えず全力で練習しなさい、というお話を聞いたばかりだったなあ、と思いました。
ですが、自分一人で練習している時、意志の力だけで、あそこまで頑張れるかというと、ちょっと自信がありません。もう一段強い身体を作りたいと思ったら、周りの皆さんに引っ張られて、自分が限界だと思っている、そのもう少し先まで頑張ってみるというのは、とても良い機会だと感じました。
もちろん当時は、それどころじゃなかったのですが。
二日目以降の主題は「連手拳」でした。
以前本部教室で爬山担山式の話が出た事に、その動きがとても奇麗だったので、勉強してみたいと思っていた套路です。少し長いのですが、部分的に単打と同じ動作が入っていたり、何ヶ所か動作の繰り返しがある分は、助かりました。
しかし、この套路は移動量、運動量ともに多く、腰や体幹部の捻りも一杯いっぱいで、かなり体力を消耗します。そのうえ初っ端の雲手から朝陽手、揺膀胯のあたりで既に身法がかなり難しく、いきなり挫折しそうになります。
ですが、特に興味のあった爬山担山式は、いい加減疲れてくる後半になっても沢山出てくるので、力の入れ方、抜き方の良い練習になると思いました。「ちゃんと大きく動ける様になると、もっと疲れるんだろうなあ」などと思いながら、一人で練習する時のため、まずは順序を憶える事に集中していました。
服部先生は、連手拳が「単打」の発展に効果がある、という事を仰っていたので、なるべく単打とセットで練習して、照らし合わせてみたいと思います。
また途中で皆さんに混じって、六合花槍の練習にも参加してみたのですが、徒手の練習不足の部分を痛感したというだけで、全くついて行けそうにありませんでした。しばらく六大開拳と、槍の基本功を練習し直してからの方が良さそうです。
他にも、連手拳の間を縫って小架二路、扶手一路、四封四閉、十二形抱と、重要なものを立て続けに教わってしまったまでは良かったのですが、さすがに理解できるものではなく、物凄い量の宿題を出された小学生の心境です。本当なら単打とセットで連手拳、対打とセットで扶手、という練習が出来るようになれば良いのでしょうが、なにしろ私は対打自体習ったばかりなので、まずは対打を練習しなければなりません。
これらの套路については、本部教室で勉強する機会を捕らえて、後から少しずつ補完して行きたいと考えています。ただ、例え自分には早過ぎる課題であっても、先輩方に連れられて体験する事には、意味があったと思います。それで普段、自分の練習に欠けている部分や、重要性を理解していなかったものに気付けば、そこを頑張れば良いとも思うからです。
昨年のレポートにも書いたのですが、八ヶ岳の合宿所はとても居心地が良くて、常宿になるだろうというお話を聞いて、楽しみにしていました。
今回も気候は過ごしやすく、食事もとても美味しかったです。またジェットバスや洗濯機は、合宿に最適な装備なのではないでしょうか。あまりに居心地が良いせいか、座学の後の宴会も盛り上がり、練習より体力を消耗したような気がするのは、きっと、多分、気のせいでしょう。今回も体力的には一杯いっぱいの合宿でしたが、とても楽しく過ごさせて頂きました。
連日熱心にご指導下さった服部先生、森指導員、そして参加者の皆様、今回も大変お世話になりました。来年も楽しみにしております。
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