2005年、八月、毎年恒例の開門拳社夏合宿が行われた。今年のメインテーマは短棍の套路「八棍頭」、初めて習う武器と套路であり、とても興味があった。
一日目
今年も例年通り八ヶ岳スポーツセンターに到着し、午後から練習が開始された。一日目の練習は「じっくりと味わうように練習する」をテーマに最初は老小架から始まった。一回目はゆっくりと一つ一つの架式を注意、確認しながら丁寧に行い、二回目は丹田を意識して架式を修正してもらいつつゆっくりと行った。その後は対練、これも味わうようにゆっくりと細微を確認しつつ行う、丁寧に対練を行うことで普段の練習では気が付きにくい身体の力む癖などを感じる事ができた。その次には小架の一路と二路、単打、四朗寛をじっくりと行った、全体を通し丹田の意識に重点を置くことによってその重要性を再確認でき、テーマの通り「じっくりと味わう練習」ができ、そういった練習の大切さも知ることができた。夜の座学は今年はビデオを見た。まずは中国の国営放送の「人物」という番組で呉連枝老師が特集された回と1985年の孟村の映像を見た。そしてそのあとは毎年恒例の宴会になった。
二日目
この日から合宿のメインテーマ「八棍頭」の学習が開始された。午前中は套路の前半の部分をゆっくりと学び、午後は後半を学んだ、あまり長い套路では無いということもあり、一応套路の順番だけはこの日だけですべて憶えることができた。短棍という武器は比較的手に近く軽く扱いやすいが、刀や槍よりも攻撃性は低いため発力を必要とし、八棍頭の套路は刀・剣・棍・槍の要素を含んでいる為、複雑ながらも練習するたびに色々な面白さのある套路だと感じた。夜の座学では八棍頭の拳譜の解説と前日につづき、1985年の孟村の映像と中国で作られた呉氏開門八極拳のビデオを見た。
三日目
午前中は八棍頭の復習を行った。一つ一つの動作をしっかりと学習し、動作の意味や細かい部分を知ることで套路をより深く学ぶことができた。午後は午前中に引き続いて八棍頭の復習と小架四路を練習した、小架四路は小架の中でも重要なものであるが、情けないことに自分自身、記憶が曖昧になっていたので復習することができて嬉しかった。夜はこの日は座学は無く、長い宴会となった。
最終日
八棍頭の套路をゆっくりと復習した、やればやるほど難しくなる套路だと感じた。最後には合宿の締めの意味で八極拳において重要な小架一路を行った。
今回は初めて練習する短棍という武器がメインテーマであり、単純な興味や套路を憶える面白さも味わえたが、それ以上に実際に短棍という武器の面白さを知ることができたのは嬉しかった。短棍は軽い武器であり、刃もついていないため、自分の身法の癖を発見、確認するにも効果的な武器だと思う。そして八棍頭という套路も色々な武器の身法が入っていて、身法養成に優れた套路という印象をうけた。色々な武器と徒手とが密接に結びついていて、一つの見方では武器の身法と徒手の身法との距離をより密接にするヒントになるものがあるかもしれないと思った。これからもじっくりと練習していきたい。
最後に色々と丁寧にご指導していただいた服部先生、指導員の方々、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました。
本部研究班・大森教室 高久慎司 |