2004年夏合宿レポート・3

●用法も一動作ずつ細かく説明



 

 今回、合宿への参加は実に3年ぶりとなりました。私は合宿という行事自体が好きなのですが、最近の運動不足・練習不足の為「ついていけるのだろうか?」という不安を抱えながら一路、風光明媚な八ヶ岳へと向かいました。

 

『一週間分のデスクワークの疲れを引きずっている 1日目』

 初日は老架子・対練・小架1路・2路・単打・四朗寛 という流れで、気持ちの良い汗を流し、体内の不純物を出し切る様な感じで爽やかに1日を終えました。

 

『昨日の練習で体も目覚め、サッパリとした 2日目』

 本日は、今回の合宿のメインである「八極短棍」の練習に入りました。
「短棍」は前々から習いたかった套路なのですが複雑な動作が多く、覚えの悪い私は「合宿期間中に覚えきれるだろうか?」と不安でしたが、どうにか形だけは覚える事ができました。
 「よし!これで力一杯ビールが飲めるぞ!!」という思いと「飲んだら明日の朝には綺麗サッパリ套路を忘れているんじゃなかろうか?」という思いがかなり激しく交錯し、その夜はあまり飲まないまま床につくことと相成りました。

 

『疲労と筋肉痛が体のあちこちを浸食している 3日目』

 合宿も3日目となると疲労も見え始めてきます。しかしながら今日は昨日習った套路に肉付けをしていく練習なのでどうにか力を振り絞ります。
 それでも体を動かしていく内、套路の細かい動作を教わっている内に、疲労も忘れ次第に熱中していき、充足感に包まれ練習を終えました。
 そして夜…、「おまえの白酒功夫を鍛えてやる!!!」のセリフを皮切りに白酒を飲み始める。私も白酒では大分痛い思いをしているはずなのですが、一度飲み始めるとついつい飲み過ぎてしまい、いつも通り意識不明となり記憶喪失も併発しながら気絶し、最後の八ヶ岳の夜を締め括ります。

 

『疲労と白酒の相乗効果でドリーミングな 四日目』

 私は「行者棒」という套路が好きなのですが「短棍」を習うと今まで出来てなかった所が浮き彫りとなってきました、その為同室の方に頼んでビデオ撮影をしてもらい確認しました所、情けないやら恥ずかしいやら…。「もっと頑張って練習しよう!」と深く感じ入る次第でございました。

 

『合宿終了から1日おいてクリアな頭で 総論』

 今回、合宿のメインである「八極短棍」ですがG.Wに表演をみた時は「私は学習しても良いレベルなのだろうか?」というのが正直な気持ちでした。しかし思い切って参加してみると、覚束ないながらも自分なりの発見もありました。自分の未熟さを思い知らされた面も多々ありました。それ故、今日からの練習にさらなる目標と励みになる事が多く、実のある四日間でした。
 私、個人としては新しい套路を覚えるということ以上に中身の濃い、内容の深い、大変充実した合宿でした。

 

 最後になりましたが、懇切丁寧に指導して頂きました服部先生、私の下らない質問にも熱心に答えてくれた指導員の皆様、私を支えてくれた同門の方々、大変ご迷惑をお掛けし、尚かつ楽しませて頂いた同室のお二方、に深く感謝の意を表しまして、合宿レポートとさせて頂きたいと思います。
 有難う御座いました。今後とも宜しくお願い致します。

 

本部教室 有馬一兵衛




●中には、拳で打つ動作もあります。蘇泰背剣



 

 

 今年も行われた、恒例の開門拳社夏季合宿に2年ぶりに参加しました。
 今年の学習テーマは短棍です。ボクは槍や棍が好きなので短棍もいつかはやってみたいと思っていたのですが、套路を見ているととても難しそうに思えたので簡単には手が出ないとずっと思ってました。またボクは套路の覚えが悪い上、武器は苦手なのでどうなることかと思いつつ、楽しみに参加しました。

 初日は毎年、ヘトヘトになるような量をこなす稽古をやってきましたが、今年は趣向が変わり通常の教室の稽古の質を高めて行いました。
まず老架子です。站椿功の代わりにゆっくり練り、ひとしきり汗をかいた後、再び丹田と呼吸を意識してゆっくり行いました。二度目は一度目とまた違った疲れ方でした。対練も同様です。全ての動作をいつもより長めに、そして丹田を意識してゆっくり行いました。「相手の呼吸を意識しつつお互い丹田を押し合う」ようにやる、と言うことだったのですがお互いの息が合わないのか意識が足りないのか、どうもまだピンときませんでした。これは引き続き普段の教室でも丹田を意識して、今後のテーマとしていきたいと思います。

 さて、二日目からメインの短棍です。短棍の基本功から始めると思いきや、いきなり套路開始です。と思ったらあっという間に午前中で半分が終わってしまいました。ボクの苦手な、棒を回したり自分が回ったりする動作が多いのでこの時点で結構いっぱいいっぱいになり、5,6年前に初めて行者棒を習ったときの、イヤーなもやもや感が蘇ってきました。午後からは引き続き套路の残りの部分を教わり、前半より難しいぞ、と感じている間に套路が全て終了。終わりのほうになると疲れも出てきて、朝のところと今のところがごっちゃになり何だがもうワケが分からなくなったままこの日は終了しました。

 三日目以降は套路の復習です。習った套路を何度も何度も繰り返して覚え直しました。また、2,3人の少人数で先生が時間を掛けて細かく指導してくれたため、あやふやな箇所も次第にすっきりしていきました。そして套路自体は合宿中になんとか覚えられたのですが、自分でやっていて全然しっくりきません。剣の動作が特に難しかったのですが、全てにおいて何かずれている感触です。ただ、身に付けるのは難しいかもしれませんがなかなかやりがいのある套路だと感じました。

 今回の合宿で練習した「丹田への意識」と「短棍」を今後も忘れることなく、そしてさらに上達出来るように続けていきたいと思います。
最後に服部先生、今回のご指導ありがとうございました。

 

本部教室 山崎義之




●套路の後半では、八仙の動作が出てくるため、難度が上がります

●架棍から肋藏棍への用法説明





 

 

 2005年開門拳社の夏合宿が8/13から16までの4日間行われました。
場所は例年のように八ヶ岳スポーツセンターでしたが、去年の合宿には参加できなかったため、ずいぶん久しぶりの感じがしました。
  今回の合宿のテーマは、乞丐棍の習得が目的でした。
  昔、服部先生が全日本武術太極拳選手権で表演された時の記事を雑誌で見た時には、呉氏八極拳の秘伝の武器と書かれていたので、こうして学習する機会が来るとは思っていませんでした。

 一日目は、例年であれば定歩拳や八式のように数を行う練習、站トウ功のように時間をかけて行う練習をメインとしてきましたが、今年は先生の意向により、数をこなすような練習ではなく、体に残るような練習を目標としました。
  老架子は去年のGWの時に呉連枝老師が来日された時に学習したのですが、套路の流れしか覚えていませんでした。今回の合宿では丹田を意識することを教わりましたが、これにより発力や体の軸の意識の持ち方をしっかり考えられるようになったと思います。
  対練についても昔に練習していた方法とは少しずつ変っているようで、丹田への意識を持つ事が重要だと感じました。
  数をこなす練習では、次の日にひどい筋肉痛が残るだけでしたが、今回は体を動かすための意識が残ったような感じがしました。

 二日目からは乞丐棍の練習に入りました。乞丐棍に使用する短棍は、13握り分の長さと比較的短く、刃がついているわけでもないため、武器の取り扱い自体は比較的楽に感じました。そうは言っても、短棍をしっかり止める際は、遠心力がついている分かなりの力を要するため、鍛錬にも有効な感じを受けました。
  これまで槍、刀、棍を学習してきましたが、これらの要素が全て含まれるうえに、未知の剣の要素まで含まれている点が難しく感じました。また、武器が小さい分、細かい動きも多く身法が難しいため、今後の練習課題にしたいと思います。

 三日目、四日目は乞丐棍の細部について、数人ずつに分けて細かく指導していただきました。乞丐棍の練習ではありましたが、武器の操作に集中するため、歩形などの癖が浮き彫りになり、様々な注意点を教えていただきました。それを意識しながら今後の練習に生かしていきたいと思います。

 これまで参加した合宿の中では最も人数が少なかったため、細かいところまで指導していただけたと思います。合宿参加者全員が乞丐棍を一通り流すことができるようになったのは、服部先生、森指導員の御指導の賜物だと思います。御指導ありがとうございました。また、合宿参加の皆様には期間中大変お世話になり、ありがとうございました。

 

山形支部 須藤覚



 

 

 平成17年8月13日、今年も恒例の八ヶ岳スポーツセンターにおける夏合宿が始まった。今までの合宿では、初日から定歩での突き等を千回とか、基本功に時間をかけるなどきつい練習から始まっていたが、服部先生から「数日だけ集中してきつい練習をしても身につくわけではなく、また、精神的にも余裕を持った練習をしよう。」とのことから指導員間で話し合い、普段の教室で行われている練習メニューを基本に、基本功の代わりとして「老架子」に時間をかけ、「八極推手」も取り入れることとした。


「老架子」で動くたびに「小架一路」とはまた違った味わいが感じられ、また、「八極推手」は「八極拳」に「太極拳」の動作が融合されつつ、聴勁の練習ができるなど、呉氏開門八極拳は奥が深いことが感じられる。


夜の座学の方も、今までのテキスト形式ではなく、見て感じることを念頭においてのビデオ鑑賞であった。ビデオは、中国のテレビで放映された呉連枝老師の特集(日本で言う偉人紹介番組)と、十数年前の孟村訪問時のビデオと貴重なもので、前者では自分的に衝撃的な映像あり、後者は若き日の呉連枝老師、呉老師の高弟である李俊義先生、楊傑先生、常玉剛先生、呉老師のご子息である呉大偉氏といった方々の姿が映し出されていた。


14日からは今回の合宿のテーマである「八極短棍」の練習を行った。「八極短棍」は、別名「乞食棍」とも言い、孟村では秘伝とされ、外部に公開していない套路であり(書籍に紹介されているものとは違う)、呉氏開門八極拳の器械套路の中でも特異なものである。自分は、1998年の孟村訪問時に習っていたものの、当時の自分のレベルが低く、套路の意味がわからず、その後の練習を挫折していたが、今回、「八極短棍」を学習する機会に恵まれたところ、まだまだのレベルだが、当時に比べ身体がスムーズに動いたことに驚いてしまった。これは、その後、徒手套路を含め、行者棒、提柳刀、六合花槍等を学習したことにより、歩法や共通する技法などが役に立っているのではないかと思う。


15日は、「八極短棍」を復習するとともに、徒手套路の「小架四路」の練習も行われた。
14、15日の夜の座学では、昔孟村で作成されたが、世に出なかった呉氏開門八極拳のビデオを鑑賞し、貴重な映像を見られ合宿参加者の皆が感動していた。
16日は、合宿最終日。「八極短棍」を復習して、今年の合宿の締めくくりとなった。


今年の合宿は、学習内容が「八極短棍」であったことから、参加者を限定したため、過去一番少ない参加者数であったが、感慨深くもあり、大変楽しく充実した合宿となった。気が早いが、来年の合宿も期待しつつ、レポートを終わりとします。

 

本部教室 森豊和

 

●まちがいさがし。上の写真と下の写真で違う点を見つけてください。(5カ所。色調の違いなど除く)答えはこのページの一番下にあります。





今回も、去年に引き続き、少人数の合宿でしたが、これ位の人数の方が密度の濃い練習ができますので、来年もまた、少数精鋭で合宿を行いたいと思います。
乞丐棍は、刀・剣・棍・槍プラスアルファの要素を全て含み、また、徒手の身体能力も向上させ、たいへん実用的な武器でもあります。
奥深い武器ですので、今後も、 よく練り込んで行きましょう。
参加者のみなさん、お疲れ様でした。

開門拳社代表 服部哲也




お疲れ様でした!

 




おまけ





●ためになる座学と、続いて行われる楽しい宴会

●最終日の夕食は恒例のバーベキューです

●焼きそば奉行登場


●今回の食事いろいろ。去年以前よりもさらに美味しくなっていました

●たまに曇ってにわか雨も

●さわやかな風景

●山の雲は独特です



●間違い探しの答え
1+2:後列の2人の位置の入れ替わり
3:後列左から四番目の人物の武器が槍になっている。
4:前列右から2番目の人物の武器が剣になっている。
5:前列中央右の人物が先生の腹へ横ピースをしている