今年も8月13日からの4日間、八ヶ岳での夏合宿に参加する事ができました。今回の学習内容は、私にとってはレベルが高過ぎるかも知れませんが、とにかく凹まずに頑張ろうと、十三握りの棍を準備して臨みました。 初日は丹田を意識する様ご指導を頂きながら老架子を二回、また呼吸を意識しながらの対練を長時間かけて行いました。特に八極推手は普段あまり練習する機会がなかったので、とても有難かったです。その後ゆっくりと丁寧に、小架、単打、四朗寛と続き、いつもより要求について考えながら動く事ができたと思います。 夜の座学では、孟村で作られた八極拳のビデオを見せて頂きました。普段は見る事のできない套路などもあり、とても内容が濃かったのですが、それ以上に、用法説明のところであまりにも危険な技が多いのに驚きました。改めて、本物の八極拳はスポーツではないという事を思い出しました。 そして恒例の酒宴ですが、笑い過ぎで毎年腹筋が危機にさらされています。特に三日目の夜は私もエスカレートして、○酒のカクテルで完全に潰れてしまい、ご迷惑をお掛けしました。以後気を付けたいと思います。それでも朝の内功五法は、空気がとても美味しくて、体の中までしっかり換気させてもらいました。森林が多く、とても空気が良い場所なので、何を練習するにも最高の環境です。 今回のメインテーマである乞丐棍は、もともと秘密の武器であると聞いていましたから、私程度の拳暦で学習する機会に恵まれるとは、正直思ってもいませんでした。乞丐棍には、刀、剣、棍、槍など、殆どの武器の用法が含まれているという事でしたので、先ずはこれらの武器をある程度練習して、初めて学ぶ事ができると思っていたからです。その事を先生に質問してみると、こともなげに「だから今から練習すれば、様々な武器の身法を練る事ができますよ」と仰ったので、とても驚いたのを憶えています。 ただ実際に練習を始めてみると、キャリア不足の予想に違わず、動作の順序までは頭に押し込んでも、その要求となると殆ど五里霧中の状態です。動作の要求にはそれぞれ段階があるそうで、今回教わったのは勿論一番簡単なものです。段階が上がってゆく様子も一部見せて頂きましたが、だんだん人間らしい動きでなくなってゆくように見えました。 自分で動く時は頭が真っ白なので、外から見た印象だけですが、例えば物乞いするように突く、蓑を被るなどの動作は、武器の動きが見えにくくて捕らえ所がないですし、短棍を使った掛塔や関節技は、短い武器を両手に広げて持つので、非常に力が大きく危険な感じがします。ところが、相手に大怪我をさせないように使える武器でもあるとの事、目まぐるしく変化して、どんな状況にでも対応するといった印象を持ちました。自分で練習してみた感想については、難し過ぎてまだ何も解っていないに等しいので、コメントしにくいです。こればかりは、今後少しでもマシになってゆく事を期待するよりありません。 今回の合宿は、程度まで理解できていないにせよ、とても高度な内容であった事だけは解ります。長い道のりの先の方を少しだけ見せてもらって、改めて「どこまで続いてるんだろう」と驚かされました。最後になりましたが、四日間にわたって、とても熱心にご指導下さった服部先生ならびに指導員の皆様、そして一緒に汗を流した参加者の皆様、本当にありがとうございました。お蔭様で、とても充実したお盆休みを過ごす事ができました。来年も楽しみにしております。 本部教室 高須俊郎
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