2002年夏合宿レポート・2

昼間はそこそこ暑くても、朝晩はTシャツではちょっと肌寒いぐらいに涼しくなります。
夜の虫の音は大合唱。いい雰囲気です。
←日没後の富士山。(中央の小さい三角形)


  山梨から東京に向かう列車のなかでぼんやりと窓の外を眺めていました。目の前に徐々に東京の景色が広がってくると、あらためて合宿が終わってしまったことを感じます。初参加の緊張のなかで始まった夏合宿ですが、3泊4日という期間は長いようであっという間に過ぎ去ってしまいました。もう少し居たかったと思いながら、知らず知らずのうちに寝てしまっていて、意外に疲れていることに気づきます。疲れといっても、不快な疲れではなく、心地よい疲れです。

 今回の夏合宿、北海道支部よりただ1人の参加ということもあって非常に緊張していました。合宿の換装はおそらく本部会員の方々と違ったものだと思います。というのは、普段北海道支部で練習している僕は、森川先生(服部先生ではなく)を通して八極拳というものを見ていたからです。本部のみなさんが「普通」と思っているような練習の仕方、動作から服部先生の動きに至るまで全てが僕にとっては目新しく映りました。特に服部先生の動きは独特の粘りがあって、森川先生とはまた違った風格が感じられました。このような新鮮な環境のなかで同じ事柄をいろいろな先生を通して見ることはそれだけで楽しいものでした。

 合宿初日、緊張の中到着した宿舎は目の前に体育館があり、そしてなにより涼しいところでした。設備面において全く不自由のない過ごしやすい所でした。涼しいとはいえ、出る汗の量は普段以上で、練習の充実さが推し量れる事と思います。宿舎内の自動販売機などはすぐに売り切れの表示が点灯していました。

 初日は基本功をしっかりと練習しました。小架一路を40分ぐらいかけてやりましたが、ゆっくり一動作ずつ止まってやることで細かく姿勢などを注意することが出来ました。重心の位置や細かい手の位置等を直していただいたところは、今後小架一路を打つ際に注意したいと思います。
 今回の合宿のテーマは、「単打」、「四朗寛」、「六合花槍」でした。二日目の班分け以降、僕は主に単打を選択し、練習しました。套路自体はすでに学習済みでしたが、小架一路と同様、細かく注意していかなければならないと感じました。六合花槍も少し習ったのですが、覚えるので精一杯な感じがして、新しいことを覚えるのもよいのですが、今回は今まで習ったことを復習しようと思い、単打を選択することにしました。しかしながら、何度も槍もいいし、単打もやりたいと葛藤がありました。ふと六合花槍班の方に目をやると、いつの間にか六合大槍をやっていたりすると、槍がやりたいような気がしましたが、どちらも習いたいのが本音で、どちらを捨てても心残りになるのは当然で、槍を選択すれば単打がやりたくなったことでしょう。

 夜には座学がおこなわれました。今年は中国語講座でした。日常会話だけでなく、武術用語も教えていただきました。いい貴会なのでこれから中国語を学習していきたいと感じました。また、先生が折に触れ中国語の学習と武術の学習を絡めてお話しされていた事が印象的でした。

 最後日は、単打の総復習に加え、小架二路を少しだけやりました。最後にそれぞれの班が合宿の成果をお互いに披露しましたが、みんなそれぞれ成長したように感じられました。
 それに疲れに反して表情が明るく、活き活きとしていて本当に好きで楽しんでやっているのだと感じました。

 駅のホームに降り立ったとき、東京の暑さとともに、ふと寂しさがこみあげてきました。この寂しさは、合宿が充実していたことの裏返しなのでしょう。合宿で得たものは色々ありますが、一番はとにかく楽しかったということにつきます。同じ目的の人々が同じ屋根の下に集まり、同じ時を過ごす、そういった時間は、思い返してみるととても純粋な時間だったように感じます。今回の合宿の成果、思い出を北海道に持ち帰り、またしっかりと練習していきたいと思います。

 服部先生、指導員のみなさん、そして開門拳社会員のみなさんありがとうございました。

北海道支部 広瀬竜介


●用法指導


8月10日〜13日の夏季合宿に参加させて頂きました。教室に通い始めてから早くも1年弱ですが、やっと小架一路を覚えたところでした。最後の日は頭の中が混乱してしまい、パニック状態でした。それでも大きな収穫を得られたと感じております。

『初日』
站椿功練習で、いつもの4倍か5倍くらい動いていたような気がしました。歩幅が少ないので列の最後尾に並んで練習しました。独立歩や朴歩の時は辛かったです。夕食のあと、座学では中国語を学びました。発音・声調から教えて頂き、口を大きく動かすから顎をよく使うことは、やってみてよく分かりました。懇親会は円になって自己紹介をして、北海道や富山からも参加されている方がいると知りました。

『2日目』
朝7時から約30分内行五行法を行いました。体の中からいらないものが出ていって軽くなった気がしました。
午前、三種砲という対練をご教授頂きました。指導員の方から相手が打ってから打つことと、自分に隙があると相手に打たれることをご指摘頂きました。慣れてくると夢中になって打っていました。
午後はついに単打の練習が始まりました。跳び蹴りをどうしたら高く跳べるかと質問があった時に、先生が「ふわっ」とおっしゃった為、おもしろくて跳ぶのが楽しかったです。みんなでふわっと言って跳んでいました。

『3日目』
単打の套路を細かく区切っての練習でした。今まで習ったことを整理する為に個人で練習をしたり、難しい部分を抜き出して練習をしました。女性は特に苦手なキックの練習で指導員の森さんにミットを持って頂き、全員順番に4、5回蹴らせて頂きました。えぐるように蹴るというのは、とても難しいです。私は上半身を蹴る時に揺らしていたため、強く蹴ることができませんでした。托槍式の対練をご教授頂き、相手がいることで体で覚えられるのでイメージがつかめた気がしました。通背式の対練をやって、相手の後ろに入る時に私は腰が高くて接触しすぎていたことに気がつきました。雲抄手が曖昧でわからない為、その練習も教えて頂きました。
最後の飲み会では、合宿初参加の方が質問や感想を言える機会を与えて頂きました。先生がどんくさいほうができた時の喜びが大きいから長く続くとおっしゃっていたのが印象に残っています。みなさんお茶目でおもしろくて楽しかったです。

『最終日』
寝不足で頭がぼーっとしていて自分の体力不足を感じていました。単打を通して練習した時に、先生から腰を落としてと言われていたのに、どうしても上がってしまいます。最後に合宿の成果を表演しました。それから小架二路を経験と知識のためにご教授頂きました。

『合宿を終えて』
自分の体力と知識不足を知らされました。練習をする時も自分の課題を決めて行うことが大事だとおっしゃっていたことを実践しなければと思います。そして、一緒に4日間練習に励んだ兄弟子姉弟子と交流を深められたことも、参加してよかったと感じています。とても刺激になりました。最後に、この度の機会を与えてくださった、服部先生始め会員の皆様に感謝しております。来年も是非参加したいと思います。

大森教室 山中英子


●中国語教室の風景。中国語の出てくるお茶のCMや八極拳の用語など、親しみやすい素材を使います。


「夏合宿を振り返って」

八月十日からの夏合宿に参加してみて、自分が昔よりさまざまな面で弱くなったなーと思いました。

まずは体力の衰え。就職してからたいして体を動かさず、怠惰な生活を送っていたため初日の基本功は大変つらかったです。
まだ始めて一年もたっておらず、いつも横浜教室においては週に一回90分間なのに今回は倍以上の練習時間でni四日間というスケジュールでしたので大変しんどかったです。

つぎは記憶力です。二日目から単打の練習だったのですが、順番を覚えるのに一苦労でした。
また座学においては中国語を勉強したのですが、大学で第二外国語として受講していたにもかかわらず、
メンタンピンドラドラと麻雀用語しか思いつかず、無駄な日々をすごしたと思いました。

三番目は酒です。大学時代は結構無茶して飲んでいましたが、宴ででた白酒コップ半分くらいでダウン。
トイレに駆け込んでしまいました。これも体力と同じように日ごろから酒を飲んで鍛えておかねばと思いました。

最後は涙腺でしょうか。涙は出ませんでしたが、最終日にはもこれで終わりかと思うとこみ上げてくるものがありました。

ここ最近は仲間内ばかりの活動で、新しい人と知り合う機会もなかったので新鮮でしたし、いろんな方から聞く話もためになりこの合宿に参加して本当によかったと思います。また来年も参加するぞと心に誓いました。

横浜教室 庭野 隆


●広い場所なので、槍も思い切り練習できました。


 2002年夏。開門拳社恒例の夏合宿に初めて参加しました。
 今回の合宿のテーマは「四朗寛と単打」との事でしたので、僕の目標も単打を一人で練習出来るようになる事でした。
 ・・・表向きは、しかし僕にはもう一つの裏の目標がありました。
 それは、最近むくみがちな体を蘇らせるため、3キロ減量する事です。

 初日
 いよいよ初日の練習です。噂には聞いていましたが、地獄の基本功が待ってました。普段カルチャースクールという限られた時間で練習していますと、体のリズムが短い時間になれてしまっているので、八式の後休憩なしで対練を行うと息も絶え絶えでした。
 そしてその後に行った45分の小架一路は、このまま永遠に収式がこないのでは無いのかと思うほどの長さでした。
 よし、これだけハードな練習をこなし、Tシャツとタオル2枚分の汗もかいた。これで痩せないはずがない。・・・そう思い宴会を大いに楽しみました。

 2日目
 昨日の小架が足腰に来てました。
 午前中は六肘頭や八極扶手などの対練を行いました。普段あまり行う機会がありませんでしたので、時間をかけ錬りました。自分では出来るようになったと思っても、うまい方に相手をしてもらうと簡単に崩されたり、飛ばされたり・・・何でそうなったのかと言うこともアドバイスして頂けたので練習の参考になりました。
 午後は今回の合宿の目的でもある単打を始めました。
 あれよあれよという間に進み気が付けば収式・・・まったく覚えられず気ばかりが焦りました。
 しかも最後の日には数人で表演を行うとのことで凄く不安でした。
 今日もヘビーな練習をこなし、鏡を見ると・・・ちょっと顔が引き締まったかも?!・・・そう思い喜んで宴会に参加しました。

 3日目
 タダでさえ硬い体が更に固くなってきました。時間をかけて柔軟します。
 午前中は昨日の復習も兼ねて少し対練を行いました。その後すぐに班を分かれ単打の練習を続けました。
 先日は通しで流したので、今日は各動作を分解しながら細かく分けて進めて行きました。
 途中、用法の説明や実際にミットを蹴ってみたり、特に難しい動作を抜き出して単式練習をしました。
 その成果もあり、套路の流れだけは大まかに掴むことが出来ました。
 今日は汗もさることながら、ごちゃごちゃになった頭の中を整理しながら体を動かしていたので、とても疲れました・・・・そういえば、お腹がへこんだような気もします。・・・そう思い最後の宴会も楽しんでしまいました。

 4日目
 午前中だけの練習なので、今日までの復習をざっと通した後、すぐに単打を数人で表演しました。
 表演などとは、とても呼べる代物ではありませんでしたが、自分なりに自信を持って動けたので合宿に参加できた甲斐があったと思いました。
 そしてもう一つの成果を見るため、自宅へ帰った後、すぐにお風呂場の体重計へと向かいました。
 ・・・・成果は1.5キロ減。目標には達しませんでしたが、あれだけ不摂生を働いてもこれだけの効果がありましたので良しとします。

 後日談
 3日で元の体重に戻りました・・・
 ただ、3日経っても単打は抜けていなかったので合宿に参加できて大変有意義な時間を過ごせたと思います。
 服部先生を始め、指導員の方や、参加者の皆さん、ご指導本当にありがとうございました。


大森教室 河合 宏


●四朗寛


  僕は10日から13日まで『八極拳』の合宿に参加させてもらった。
初日はだいたい、いままでの復習をした。『開門八式』などを最初にやった。その『開門八式』の一つ一つを二往復以上やった。中には三往復するものもあった。僕はみんなに遅れないように、形を崩さないように頑張った。
 『開門八式』が終わった時には僕はもう疲れていた。休憩時間の時、僕は自分で汲んできた水を飲んだがぬるかった。僕はこの合宿の間、水当番を任せられたのである。
 その日で一番体力を使ったのが、『小架一路』だった。一定時間ジっとしている『小架』である。僕は何度も先生が見ていない間、手や足を休めたことか・・・。特に全体重を片足に乗せる『虚歩』と名前はわからないけど『二郎担山』の次のしゃがむのが辛かった。お尻を足に乗せてはいけないのである。先生はそのことに注意するが、僕はもう乗せていた。
 僕は頭の中で 次はなんだ、次はなんだと考えて大変なのが残っていると思ったのが、『白蛇吐芯』とかの片足をあげるのが二回連続で続くのである。しかし、そこは意外に止まっている時間が短かったのが本当に嬉しかった。
 『小架』が終わってから先生が「今のでだいたい40分ぐらいです」と言われた時、なんだか40分というのが意外に短く感じた。

 2日目から『単打』をやる人と『四郎寛』をやる人とわかれてやった。
 僕は『単打』を選んだ。今、横浜教室でやっているからである。思った以上に難しかった。特に『左右雲抄手』の手の動きが全く解らなかった。それと、似たような動作が色々ある所だ。後で『小架一路』をやると次がなんだか解らなくなってしまうのだ。
 『梱身大纏』<(てん)の漢字がでなかったので(纏)使わせてもらいます>や『托槍式』を相手にかける練習もした。思ったより上手くかからなかったのが悔しかった。
 休憩時間の時、みんなが僕の汲んできた方も冷たそうに飲んでくれるのを見て、僕は嬉しかった。氷をいれるのが大変だったけどなんかよかった。(氷をいれるのを手伝ってくれた方々どうもありがとうございました)

 夜の飲み会も楽しかった。何日目の飲み会かは忘れてしまったが、すごい匂いのするお酒をみんなが飲んでいる時、僕も少し興味があったので指に少しつけて飲んでみたが、舌がなんだか熱くなってよく解らなかった。僕はお菓子を食べていた方が美味しかった。
 後、先生の『アンケイ』が、すごかった。それから、先輩の話してくれた話はどれも本当にいい話だった。
 色々聞いていくと、「ただ八極拳をやるだけじゃいけない」というのがよく解った。
 話が変わってしまうが、合宿が終わってから2日ぐらいたった時、『呉氏開門八極拳開門拳社規範教程』を見た。その中には合宿でやった『梱身大纏』のことなどがあった。それは形も色々あり、使い方も色々あった。あらためて飲み会の時の「ただやるだけじゃいけない」ということがわかった。
 それからは、「こういうことか」とわかったことも少しあったが「どういうことだ?」と解らない事の方が多くなった。けれどこの合宿に行ってよかったと思う。それと『八極拳』とは少しちがうけど、みんな話しやすい人ばかりだと思った。解らない所があれば必ず教えてくれた。
 最後に先生、指導員や先輩の皆さん本当にありがとうございました。
 

横浜教室 山崎 淳一


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