山梨から東京に向かう列車のなかでぼんやりと窓の外を眺めていました。目の前に徐々に東京の景色が広がってくると、あらためて合宿が終わってしまったことを感じます。初参加の緊張のなかで始まった夏合宿ですが、3泊4日という期間は長いようであっという間に過ぎ去ってしまいました。もう少し居たかったと思いながら、知らず知らずのうちに寝てしまっていて、意外に疲れていることに気づきます。疲れといっても、不快な疲れではなく、心地よい疲れです。
今回の夏合宿、北海道支部よりただ1人の参加ということもあって非常に緊張していました。合宿の換装はおそらく本部会員の方々と違ったものだと思います。というのは、普段北海道支部で練習している僕は、森川先生(服部先生ではなく)を通して八極拳というものを見ていたからです。本部のみなさんが「普通」と思っているような練習の仕方、動作から服部先生の動きに至るまで全てが僕にとっては目新しく映りました。特に服部先生の動きは独特の粘りがあって、森川先生とはまた違った風格が感じられました。このような新鮮な環境のなかで同じ事柄をいろいろな先生を通して見ることはそれだけで楽しいものでした。
合宿初日、緊張の中到着した宿舎は目の前に体育館があり、そしてなにより涼しいところでした。設備面において全く不自由のない過ごしやすい所でした。涼しいとはいえ、出る汗の量は普段以上で、練習の充実さが推し量れる事と思います。宿舎内の自動販売機などはすぐに売り切れの表示が点灯していました。
初日は基本功をしっかりと練習しました。小架一路を40分ぐらいかけてやりましたが、ゆっくり一動作ずつ止まってやることで細かく姿勢などを注意することが出来ました。重心の位置や細かい手の位置等を直していただいたところは、今後小架一路を打つ際に注意したいと思います。
今回の合宿のテーマは、「単打」、「四朗寛」、「六合花槍」でした。二日目の班分け以降、僕は主に単打を選択し、練習しました。套路自体はすでに学習済みでしたが、小架一路と同様、細かく注意していかなければならないと感じました。六合花槍も少し習ったのですが、覚えるので精一杯な感じがして、新しいことを覚えるのもよいのですが、今回は今まで習ったことを復習しようと思い、単打を選択することにしました。しかしながら、何度も槍もいいし、単打もやりたいと葛藤がありました。ふと六合花槍班の方に目をやると、いつの間にか六合大槍をやっていたりすると、槍がやりたいような気がしましたが、どちらも習いたいのが本音で、どちらを捨てても心残りになるのは当然で、槍を選択すれば単打がやりたくなったことでしょう。
夜には座学がおこなわれました。今年は中国語講座でした。日常会話だけでなく、武術用語も教えていただきました。いい貴会なのでこれから中国語を学習していきたいと感じました。また、先生が折に触れ中国語の学習と武術の学習を絡めてお話しされていた事が印象的でした。
最後日は、単打の総復習に加え、小架二路を少しだけやりました。最後にそれぞれの班が合宿の成果をお互いに披露しましたが、みんなそれぞれ成長したように感じられました。
それに疲れに反して表情が明るく、活き活きとしていて本当に好きで楽しんでやっているのだと感じました。
駅のホームに降り立ったとき、東京の暑さとともに、ふと寂しさがこみあげてきました。この寂しさは、合宿が充実していたことの裏返しなのでしょう。合宿で得たものは色々ありますが、一番はとにかく楽しかったということにつきます。同じ目的の人々が同じ屋根の下に集まり、同じ時を過ごす、そういった時間は、思い返してみるととても純粋な時間だったように感じます。今回の合宿の成果、思い出を北海道に持ち帰り、またしっかりと練習していきたいと思います。
服部先生、指導員のみなさん、そして開門拳社会員のみなさんありがとうございました。
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