今年も開門拳社で開催された、呉連枝老師ご指導による講習会に参加致しました。 メインの学習となる四朗寛は、呉連枝老師から過去に二回教えていただきましたが、今年は套路の用法や力の出し方(発力、行気)に注目して学習したいと思っていました。
○四朗寛套路
中級コースの初日、予定通り四朗寛の套路が始まりました。が、気がついたら午前中で套路の流れは一通り終わってしまいました。開門拳社では事前講習会で套路学習を行っていたため、初めて教わる参加者はほとんどいなかったのですが、それでも、いささか戸惑うほど早いペースでした。
ただ、その後少しずつゆっくりと解析して頂いたので、集中して学習することが出来たため、3日間をとても有意義に過ごすことが出来ました。
○用法
呉連枝老師が四朗寛の技を人に掛けると、綺麗にそして鋭く掛かっていることがよく分かります。とても簡単そうにそして無駄な動き無く、小さく掛けています。呉連枝老師も”簡単です”と何度も仰っていました。
ところが見るとやるとでは大違いで、自分で掛けようとすると思った通りに掛かりません。練習が足りないことも当然のことながら、何か別のことが決定的に違うような気がしてなりませんでした。
また、呉連枝老師が技を掛ける時、必ずといって良いほど盤打(毒蛇擺頭)を使って相手の足をロックしていたことが印象的でした。やはり根を、特に足の根を的確に封じることによって動きを制御する重要性が良く分かりました。
今回学習した四朗寛の套路にも盤打のような下盤の動きがとても多く出てきますので、足の先まで意識して練習し、身に付けていきたいと思います。
○3つの丹田
今回の講習会では、丹田のお話をされていた時に感じるものがありました。丹田のお話は以前から何度もお聞きしていましたが、今回の「啓歩とは丹田が起動すること」とのお言葉には、そうだったのか、と改めて勉強になりました。今まで発力する時に丹田へ意識を持っていくように心掛けていましたが、啓歩の時にはさほど意識していなかったことに気付かされました。
実際に啓動時から上、中、下の3つの丹田に意識を持っていきながら、拳を打ち出すと、今までよりも無駄なく発力が出来ているように自分の中で感じられました。
丹田は丹田、啓歩は啓歩と今までは別に考えていましたが、合わせて説明して頂くことによって繋がりがあることを知り、考えていく範囲を広げる必要がある、ということを認識しました。
○爆発呼吸
呉連枝老師の動きをよく見たり、技を掛けられたりして今回改めて感じたことがあります。
呉連枝老師は発力する直前まで脱力させ、わずかな時間で力を爆発させているということです。爆発呼吸という言葉は以前から良く聞きますが、漠然と大きく発力すること、だと考えていました。自分が打ち出す拳にはなぜ力強さが足りないのかと常々考えていましたが、呉連枝老師の動きを見て少し分かったような気がしました。
呼もしくは吸をしながら、発力するまでいかに放鬆して、そして爆発するように瞬間的に発力する、というようなことは以前から呉連枝老師はおっしゃっていて、自分でも理解していたつもりでしたが、結局答えだけ分かっても、なぜその答えになるのか考えていかなければ役に立たない、ということを改めて理解できたような気がします。
○劈杆子
呉連枝老師が劈杆子を行っている姿を、今年はたくさん見ることが出来ました。長めの白蝋杆をしならせながら綺麗に振っている姿にも感動しましたが、短めの斉眉棍を使って小さく発力しながら綺麗に相手の棍を落としている姿にはさらに感動しました。
呉連枝老師は「槍を振った後も三尖相照を外すな」、「劈の力で槍を落とせ」などの注意点を説明されていました。そのように言われると、確かにその通りだよな、と思います。逆に言われなくても分かりそうなことなのに、今まで何で気が付かなかったんだろう、と悩んでしまいました。
ともあれ、今までは槍先を綺麗に回すことに主眼を置いて欄拿扎と槍を振っていましたが、今回注意されたこともよく考えて練習していきたいと思います。
○最後に
今回も中級コースの他、初級や六合花槍といった全ての講習に参加したため、教わった内容がとても多く、整理するまで時間が掛かりそうです。
今回教えて頂いたことを出来るだけ身に付けて、次回教わる時の糧にしたいと思います。
そして最後に、講習会の手伝いをしてくれた同門の皆様、関西からおいで頂いた渡邉先生や石田先生、お忙しい中参加された松田先生と一門の方々、講習会の主催者である服部先生、そして丁寧にご指導下さった呉連枝老師に改めて感謝いたします。ありがとうございました。
本部教室 山崎 義之 |