2008.4.26〜5.5 呉連枝老師講習会(4)

08GW講習会




 今年の呉連枝老師の講習会は、5月3,5日の四朗寛講習を2日間だけ参加させていただきました。仕事の都合で参加できた日数は少なかったものの、今年も楽しく充実した講習会でした。
 今回は套路の順序だけでも覚えていけば、教えていただける内容を少しでも多く理解できるだろう、という過去の経験から、2月の事前講習会と本部教室での練習、2005年の講習会DVDをフル活用し、なんとか順序だけは覚えて参加することができました。
 はじめて四朗寛を見た時には、物覚えと運動神経の悪い自分には絶対無理だと思ったものですが、なんとかなるものですね。


 初日の午前中は、まず四朗寛の順序を追っての説明でした。呉連枝老師からの御指導は特に歩法についての注意が多く、基本である白馬翻蹄がいかに大事か痛感しました。
 また四朗寛の動きには多彩な内容が込められており、呉連枝老師の説明を受けながら練習するのは楽しく、時間を忘れるほどで、いつの間にか終式まで終わっていました。

 ここで午前の部が終了したのですが、まさか四朗寛ほどの長い套路が半日で終わってしまうとは思いもしませんでした。正直なところ、この時はこのペースで進むとなると、果たして自分について行けるのか不安に思ったりもしたのですが…結局、私が今回の講習会で一番面白かったと思ったのは、この後の午後から行われた四朗寛の用法 を抜き出した対練でした。

 揉手からの順歩単提では、套路の練習ではつかめなかった感じが何となくではありますが、理解できたような気がしました。
 また相手への力の方向をわずかにずらすことで、相手の抵抗力が非常に小さくなることに驚きました。

 揉腿では、毒蛇擺頭等の多くの足技を実際に体験することができました。四朗寛を教えてもらった時の感想のひとつとして、足を引っかけたり絡ませたりすることが多いと思っていたのですが、この時の感覚を忘れないようにして今後の練習に生かしていきたいと思います。

 後で服部先生から聞いた話ですが、私が一番面白かったと思ったこの対練ですが、呉連枝老師は我々の四朗寛を見て「この練習が効果的だろう」と即興で決められたのだそうです。
 呉連枝老師には、その功夫はもちろんですが、指導力、判断力、人間としての器の大きさ等、本当に驚かされます。「今は技術を秘密にしておく時代ではない。むしろ明らかにして八極拳の素晴らしさを多くの人に伝えるべき」と、今まで秘伝としていたことを次々公開していくスタイルには、尊敬するほかありません。

 歓送会終了後、そんな呉連枝老師に肩を組んでもらって写真を撮っていただき、幸せな気分のまま帰路についたことが忘れられません。
 本当に楽しい講習会でした。


 最後になりましたが、呉連枝老師、服部先生、並びに指導員、先輩の方々、ありがとうございました。
 また来年の講習会も、よろしくお願いします。



本部教室 麻生 昌志


▲生徒ひとりひとりの体勢を細かく指導します


▲呉老師の華麗な童子拝観音

 今年も開門拳社で開催された、呉連枝老師ご指導による講習会に参加致しました。  メインの学習となる四朗寛は、呉連枝老師から過去に二回教えていただきましたが、今年は套路の用法や力の出し方(発力、行気)に注目して学習したいと思っていました。

○四朗寛套路
  中級コースの初日、予定通り四朗寛の套路が始まりました。が、気がついたら午前中で套路の流れは一通り終わってしまいました。開門拳社では事前講習会で套路学習を行っていたため、初めて教わる参加者はほとんどいなかったのですが、それでも、いささか戸惑うほど早いペースでした。
  ただ、その後少しずつゆっくりと解析して頂いたので、集中して学習することが出来たため、3日間をとても有意義に過ごすことが出来ました。


○用法
  呉連枝老師が四朗寛の技を人に掛けると、綺麗にそして鋭く掛かっていることがよく分かります。とても簡単そうにそして無駄な動き無く、小さく掛けています。呉連枝老師も”簡単です”と何度も仰っていました。
 ところが見るとやるとでは大違いで、自分で掛けようとすると思った通りに掛かりません。練習が足りないことも当然のことながら、何か別のことが決定的に違うような気がしてなりませんでした。
  また、呉連枝老師が技を掛ける時、必ずといって良いほど盤打(毒蛇擺頭)を使って相手の足をロックしていたことが印象的でした。やはり根を、特に足の根を的確に封じることによって動きを制御する重要性が良く分かりました。
  今回学習した四朗寛の套路にも盤打のような下盤の動きがとても多く出てきますので、足の先まで意識して練習し、身に付けていきたいと思います。


○3つの丹田
  今回の講習会では、丹田のお話をされていた時に感じるものがありました。丹田のお話は以前から何度もお聞きしていましたが、今回の「啓歩とは丹田が起動すること」とのお言葉には、そうだったのか、と改めて勉強になりました。今まで発力する時に丹田へ意識を持っていくように心掛けていましたが、啓歩の時にはさほど意識していなかったことに気付かされました。
  実際に啓動時から上、中、下の3つの丹田に意識を持っていきながら、拳を打ち出すと、今までよりも無駄なく発力が出来ているように自分の中で感じられました。
  丹田は丹田、啓歩は啓歩と今までは別に考えていましたが、合わせて説明して頂くことによって繋がりがあることを知り、考えていく範囲を広げる必要がある、ということを認識しました。


○爆発呼吸
  呉連枝老師の動きをよく見たり、技を掛けられたりして今回改めて感じたことがあります。
 呉連枝老師は発力する直前まで脱力させ、わずかな時間で力を爆発させているということです。爆発呼吸という言葉は以前から良く聞きますが、漠然と大きく発力すること、だと考えていました。自分が打ち出す拳にはなぜ力強さが足りないのかと常々考えていましたが、呉連枝老師の動きを見て少し分かったような気がしました。
  呼もしくは吸をしながら、発力するまでいかに放鬆して、そして爆発するように瞬間的に発力する、というようなことは以前から呉連枝老師はおっしゃっていて、自分でも理解していたつもりでしたが、結局答えだけ分かっても、なぜその答えになるのか考えていかなければ役に立たない、ということを改めて理解できたような気がします。

○劈杆子
  呉連枝老師が劈杆子を行っている姿を、今年はたくさん見ることが出来ました。長めの白蝋杆をしならせながら綺麗に振っている姿にも感動しましたが、短めの斉眉棍を使って小さく発力しながら綺麗に相手の棍を落としている姿にはさらに感動しました。
  呉連枝老師は「槍を振った後も三尖相照を外すな」、「劈の力で槍を落とせ」などの注意点を説明されていました。そのように言われると、確かにその通りだよな、と思います。逆に言われなくても分かりそうなことなのに、今まで何で気が付かなかったんだろう、と悩んでしまいました。
  ともあれ、今までは槍先を綺麗に回すことに主眼を置いて欄拿扎と槍を振っていましたが、今回注意されたこともよく考えて練習していきたいと思います。


○最後に
  今回も中級コースの他、初級や六合花槍といった全ての講習に参加したため、教わった内容がとても多く、整理するまで時間が掛かりそうです。
 今回教えて頂いたことを出来るだけ身に付けて、次回教わる時の糧にしたいと思います。

  そして最後に、講習会の手伝いをしてくれた同門の皆様、関西からおいで頂いた渡邉先生や石田先生、お忙しい中参加された松田先生と一門の方々、講習会の主催者である服部先生、そして丁寧にご指導下さった呉連枝老師に改めて感謝いたします。ありがとうございました。


本部教室 山崎 義之



▲さまざまな練功法を指導される呉連枝老師▼




▲理論と用法解説



▲松田隆智先生の、行劈拳の表演




▲老師を囲んで、記念写真▼



今年も、呉老師をお招きして、実りの多い講習会でした。
また、来年に向けて、日々研鑽を続けていきましょう。
参加されたみなさま、お疲れ様でした。


開門拳社代表 服部哲也


5ページ目は、歓送会とおまけ写真です

08GW講習会